今回もクローズドサークルを作られていて、包囲方法は古典的とも言えるが、包囲されて起きる殺人の連鎖は特殊で、なぜ行ったのかが気になって仕方ないです。
必ず的中するという予言が閉じ込められた葉村、剣崎達に襲いかかる。
読んでいる読者からすれば予言に踊らされるなんて…と思うが、そこは説得力が出るように背景を作っていました。
予言を信じさせられる非現実的な状況が怖い。上手い具合に繋がっていて、綺麗に落としているのは見事でした。
犯人の動機や殺人が起こった原因には唸りました。
まさかの真相でしたが、人って思い込みが強かったりするから仕方ないのかな。
1巻同様心が痛む別れがあり、これは必要なのかと悲しくなります。
最後の根本的な原因を突き止めた剣崎さんの冷酷な顔は恐ろしかった。
犯人だけでなく、その先まで見通して手を打つ頭のキレが凄いし判断力がずば抜けているのが怖くもあり、心配になります。
葉村との距離は縮まっているが、剣崎自身の気持ちをどうにかしないといけないな。
斑目機関について掘り下げられていて、機関との対決はどうなるのか気になります。
その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。