羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

金環日蝕

金環日蝕

 

傑作でした。

犯罪は様々起きているが、犯罪と犯罪者にどう向き合っていけば良いのか悩む2組のペアを描いている。調査する正義の方と落ちていきながらも犯罪に染まっていきそうな方、どちらの視点があるからこそ、至る結論に説得力が生まれていました。

人の生活には犯罪が隣にある。

それを強く思う、メッセージ性がある作品でした。

生まれ育ちやトラウマから、犯罪に巻き込まれて、そこから抜け出すことが難しい人もいる。

それを知る必要がある。

登場人物が悩み苦しみながらも生きる姿に惹かれました。

 

1冊読んだら、ずっしりと胸にのしかかる、重さがありました。それは悪いことではなく、良い読後感でした。

読んでいて、考えさせられる作品で、最後の最後まで考えさせられる作品でした。

ミステリ的にも、伏線の回収が上手くて、ミスリードも冴えていました。

 

 

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人捜しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだったが――。《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が贈る、〈犯罪と私たち〉を描いた壮大なミステリ。