愉快、痛快、素晴らしいミステリの連続でした。
放課後探偵団1.ネクスト・ギグを読んでいるので、ミステリを描くのが上手いと知ってはいたが、全話面白い短編集で、恐れ要ります。各話趣味趣向を凝らして、読者を楽しませにくるのが伝わってくる1冊でした。
部活、仕事場、家族、浮気、無人駅でのクローズドサークル、どれも上手く料理していて結末にたどり着くまでにあれこれ推理しながらも、たどり着いた真相にはあっと不意を突かれるようなものがあり、読み応えがありました。
ボールがない、は部活のわちゃわちゃ感に懐かしみを覚えました。最後の落ちも笑ってしまうもので、捻られたなぁと笑
個人的に好きだったのはベットの下でタップダンスをです。馬鹿馬鹿しい状況から発生した殺人事件から、推理した末の真実には驚きました。
1話目以外は殺人があるが、コージーミステリみたいな軽さもあるので、読みやすかったし、登場人物にも好感が持てました。
思いもかけないところから、ひょっこりと真相が顔を出す。
鵜林ミステリの個性を示す、謎と論理の第一作品集。
『ネクスト・ギグ』の俊英による、ロジックときどきトリックの五編どこをさがしても見つからない。いくらさがしても見つからない。残り一球が見つからないと帰れない。いったいボールはどこへ行ったのだ? 闇雲にさがしても無駄だ、頭を使おうと高校野球部の部員たちは推理でボールの行方を突きとめようとする。著者の出発点となった「ボールがない」をはじめ、天文部員が天体写真を添付したメールの謎の解明に挑む「宇宙倶楽部へようこそ」、実在のスイッチバック駅を舞台に殺人の謎を描いた表題作など五編。ああでもない、こうでもないと推理を重ねたその先に、意外なところから真相がひょっこりと顔を出す、鵜林ミステリの個性を示した第一作品集。