羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ロスト・ケア

ロスト・ケア (光文社文庫)

 

映画観てから読んだので、違いがより感じられました。どちらも良かったです。

原作だと終始、淡々と進むのと情報量が多いので、より重みを感じられました。

 

家族介護の限界、福祉の穴、生き地獄ともとれる現実を見せつけられました。今作はだいぶ前の作品ですが、今と繋がっている面があって恐ろしくなりました。

昔よりはマシになってると思いたい。

 

司法、区役所などの安全圏にいる人達の傲慢さが炙り出されていました。自分が体験しないと深く考えられないよねと。

 

人の傲慢さを痛烈に突きつけられて、介護問題について考えないといけない気持ちになりました。

 

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。