上巻。
私と賭けをしませんか?
恋が成就すれば、
賭けはあなたの勝ちです。
深町陽介は顔に大きな痣があった。小さな頃から消えず残っていた。
ある日、賭けが持ちかけられる。
「その痣を消しましょう、そして、初恋相手を射止めて下さい。そうすればあなたの勝ちです。」
良い暗さで良かった。
やっぱり、明るい話にはならないよね。
痣が消えて、生活が一変した陽介が、初恋相手の唯を軽んじてしまうのは、高校生らしい駄目さがあった。だけど、唯の顔に自分と同じ痣があって、戸惑い出してから、物語が動き出してきた感じ。また、クラスメートの千草が陽介に懐いてるのも理由がありそう。
賭けには負けそうだが、自分との勝負には勝ったような終わりだったが、果たして、下巻ではどうなるか。
下巻。
僕はもうすぐ賭けに負ける。
命を取り立てられる
その日までに、僕はーー
ずっと思っていた、痣が消えれば初鹿野唯の心を射止められるかもしれないのにと。
賭けに乗ったことで、顔の痣の消えた。しかし、再開した唯の顔には、瓜二つな痣が…
陽介の友人、檜原裕也が加わり。陽介、千草、唯、檜原の4人の居心地の良い関係で、賭けは投げかけた陽介。檜原と唯、陽介と千草、この噛み合わないようで噛み合っている関係で落ち着きそうな感じだったが、やはりそのままというわけにはいかない。
唯が記憶喪失になってしまう。そこで陽介は檜原のフリをして、仲良くなる危ういウソを吐くのは、うぉーというか、落ちるところまで落とすなぁと思った。
檜原(陽介)と唯(記憶喪失)は落ちていくーー
そして、陽介は賭け勝ったーーー
本当に傷を舐め合うような、傷を撫でるような、そんな作風で三秋先生は素晴らしいなと。出来れば、今作はネタバレなしで読んだ方が良いです。
夏に読むのが良いかもしれません。