羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ

ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ (ファンタジア文庫)

(内容)

かつて魔王戦役にて魔王軍に与した灰エルフの子孫たちが、“魔王の左腕”を奪還すべく五芒国へと再び侵略を開始する。灰エルフたちの鍛え抜かれた弓の腕と馬術によって、フライスラントの地に多くの血が流れ、兵たちが敗北を重ねる戦況にカレルが、ヴェッセルが動き出す―。「心に正直になれ。どうして欲しい?一晩中これを続けて欲しいのか?」灰エルフ族長のひとり“天秤の担い手”ギルセリオン。圧倒的な武と、女を堕とす術を持つ新たな英雄は、来るべき『セシリアの死』を起こす元凶か、それとも未来を変える存在か―。かくして歴史の表舞台に英雄は揃う!

(内容)

今回は一冊の半分くらい、敵の灰エルフであるギルセリオンに焦点を当てていて、読みづらかった。自分の苦手な描写もあり、読むのやめようと思いましたが、この先、カレルにボコボコされるのを考えて耐え抜きました。


中盤より後はカレル視点の話。

やはりカレル側だと、面白い!

カレルとセシリアがいるだけで安心感が凄くて、最後まであっという間に読めました。

ヴェッセルとの絡みも面白く、カレルにはヴェッセルの本心は読めないから、読者からすると利用されかるぞ!と教えたくなる笑


また、ミーリエルやコルネリウスのこの先を気になることを示唆されていて、続きが気になる繋ぎな巻でした。



あとがきを読んだら、こんな理不尽あるかよと思いましたが、読者は読むことでしか作者に答えられません。歯がゆいですが、この先のカレル達の物語が続くよう、祈ってます。

キミの忘れかたを教えて

キミの忘れかたを教えて (角川スニーカー文庫)


一度諦めてしまった。投げ出してしまった。

松本修が大学を中退し、実家に帰ってきて、腐っていたところから立ち上がり、再生する物語。


腐っていたときに故郷に戻り、昔やってしまった過ちと向き合い、以前から付き合っていた人たちに助けられて、何かを成し遂げようとする物語が好きです。

そして、幼馴染の鞘音との確執を抱えながらもいちゃつくの良いです。甘々な2人がぶつかり合う最後は盛り上がりました。

 

また、修と鞘音以外のキャラも良いキャラしてて、引き立て役に収まらない活躍をしてました。


1巻はプロローグ的な内容なので、2巻を楽しみにしてます。

リベリオ・マキナ [ー《白檀式》水無月の再起動ー]

リベリオ・マキナ ―《白檀式》水無月の再起動― (電撃文庫)


電撃小説大賞銀賞受賞作


王道な物語で、多少物足りなさを感じるが、読み終えた後は爽快な気分になる。終わり良ければそれで良しみたいな感じか。


主人公の水無月が危険なオートマタということで世間に認知されてるというのに、自分の破壊衝動を優先して、言い訳するのは身勝手過ぎるかなと。ただ、最後に葛藤を乗り越えるところが書かれていて、来るものがあった。次巻以降、水無月がどう立ち回るのか楽しみ。あと、アイスに関心を示し黙々と食べるのは可愛い過ぎ。流石男の娘!


ヒロインのカノンとリタは水無月に振り回されながらも自分を示していってほしいなと思います。

鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王

鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王 (電撃文庫)


電撃小説大賞銀賞受賞作


優しいファンタジー作品でした。

主人公のウォレスがリィリ、ルチアと交流を深めていき、自分のあり方、失った記憶を見つけだす流れはありがちかもしれませんが、人と人の繋がりの大切さを感じさせるもので、読み終わったら、胸が暖かくなります。



ゆっくり、しかし、確実に移ろう感情を是非読んで確かめてください。



これからの作者の活躍を期待しています。

キノの旅ⅩⅤⅠ the beautiful world


今巻は全体的に薄味で、サラーと軽く読めました。


「育てる国」

・まず、育てるって自分の名誉の為にしてる時点であっ…って感じです。子は親を選べないというが、親が子を選んだら上手く言えないが外れる気がする。ティーの吐く言葉が刺さる話。


フォトの日々

「見えない真実」

・真実を伝えるのはいつだって、人間の言葉だ。題名の通り真実は見えない終わりで、その余韻が悲しい。それが望んでいた形に近いとしても。


「残されたもの」

・何かを残すには、手紙や写真が最適かも。写真は視覚的にも心に残りそうだ。幸せな瞬間だけでなく、悲しい時も残していかなければいけない。本当にそう思う。

錆喰いビスコ

錆喰いビスコ (電撃文庫)


以前から面白そうだと思ってたが、絵や物語が自分に合うのか分からず、読めませんでした。ただ、このラノダブル1位、ということで1巻は読んでみようと思いました。


読んでみたら、ビスコとミロの熱い旅でした。次々と現れる敵を撃破しながら進むので、もう少し1回1回の戦闘を比率を高めても良いかな。あと、最後の戦闘は超次元過ぎて、それまでの戦闘を軽くしてしまう気も。まぁ、全体的には楽しめました。


ビスコに引っ張られる形でミロも熱く強くなっていき、終盤の展開を盛り立てていて、男と男の友情は熱いですね。

ビスコ、ミロ以外にもパウー、チロル、ジャビ、アクタガワが良いキャラしてて、ご馳走さま。


手に汗握る展開が続き、気が緩むことなく最後まで駆け抜けました。そのおかげが読み終え後は心地の良い疲労感が得られました。



癖が強い作品ですが、ハマればたまりません。

やがてはるか空をつなぐ

やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

 

ファン通文庫らしい、真っ直ぐな青春でした。そうだ、こういう物語を待っていた。というか今作が出るまであまりファミ通文庫の新刊を読んでなかったので忘れてました。

 

ファミ通の昔ながらの持ち味だと思うので、売れ線から外れていても青春作品を出してほしいと思います。

 

 

さて、作品としては、ロケットを使い、男女5人の心に溜まっていた想いを解き放つ展開は理想的でした。

 

七海、遥、佐奈、山花、柊、全員の視点から物語を見れて、感情移入しやすかったです。5人の想いを知っているからこそ、最後の打ち上げるロケットに胸を打たれました。

 

 

真っ直ぐな青春が好きな人にオススメです。