綾里先生の作品の中でもかなり好きな作品です。
久しぶりに読み返したが、それでもフェリ、クーシュナ、トローの旅は良いものでした。テンポ良い会話、柔らかい空気感、この3者の旅はずっと読んでいたいくらいだ。
様々な幻獣と対面して、その幻獣に寄り添っていくフェリの姿勢は魅力的です。また、各話の落ちが様々な余韻があって、楽しめます。
登場する幻獣達にも考えがあったり、特性がある。人との関係は難しいのかもなと思うが、その分かり合えなさが良いのかもしれない。
幻獣と人の関わり方が多種多様で、だからこそ、分かり合おうとするフェリが映えるのだなと。
闇の王がフェリと旅に出るまでの変化は見ものでした。トローの意地はかっこよかったです。
フェリの謎はなるほどなと伏線は確かにあったが、不意を突かれますね。
村を襲うも人は殺さない飛竜の真意とは。老人の巻きこまれた妖精猫の裁判の行方は。鋭い吠え声が響く村で娘達を食らう獣の正体とは―。独自の生態と超自然の力を持つ生き物、幻獣。謎多き存在である彼らと人の衝突が増えたため、国家は幻獣を調査し、時には駆除をする専門家を定めた。そのひとりである調査員のフェリは「人と幻獣の共存」を胸に世界で唯一の幻獣書を完成させるため旅を続けている。これは人と幻獣の関わりが生む残酷で優しい幻想幻獣譚。