羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

生者のポエトリー

生者のポエトリー

 

詩をテーマにしていて、人生で壁にぶつかっている人達が詩を通して、壁を越えていく様子が描かれている短編集。

 

悩める登場人物達が希望を掴んでいくのが凄く胸を掴んでくる魅力がありました。

どの話も、読み終えると勇気が貰えます。なぜなのか、きっと自らの人生を切り開いていく一歩を踏み出していく瞬間に立ち会えるから。

登場人物達が身近に感じられるから、より物語に没頭することが出来たのかなと。

登場人物それぞれが知らないところで関わりを持っているのはグッときました。影響を与えている彼や彼女の裏を知っている分、人と人の繋がりには意味があるのだと感じました。

 

詩はあまり読んだことがなくても、詩を読むことで変わっていく登場人物を見ていると興味が湧いてきました。

 

全話、愛おしいくらい夢中になれました。

 

この本を読めば勇気が湧いてきます。

人生色々あるけど、前を向いて生きていこうと思います。

素敵な作品でした。

 

“詩”は人をつよくする――。
トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」)
最愛の妻を亡くした元気象庁技官・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」)
学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」)
……ほか、人生の大切な一歩を踏み出す、その一瞬を鮮やかに描いた全6編。逆境のなかで紡がれた詩が明日を切り拓く、心震わす連作短編集。