- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 文庫
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(内容)
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
(感想)
米澤先生の実験作みたいな印象を受けたが、読み終わってから、 解説読んで振り返ったら、完成度高いなと考え直しました。
自分が生まれなかった世界に飛ばされ、そこで確認された出来事を繋げていくと、最終的に主人公のリョウが自分の価値に気づくというのは残語でした。最後の結末は様々な解釈ができて、読者に委ねる形なのは見事。
この作品を読んだら自分の価値とか嫌というほど考えてしまう。でも、そんな時間も必要なのかもしれない。