社会人になって、数年。悩みを抱えているからか、このパッケージに強く引き寄せられました。
(あらすじ)
地方の広告制作会社で働くデザイナー、芳野荘介28歳。
年齢=恋人いない歴で、仕事も中途半端な自分に行き詰まっている「できない男」。
ある時、地元の夜越町と大手食品会社ローゼンブルクフードが農業テーマパーク「アグリフォレストよごえ」プロジェクトを立ち上げる。
荘介の憧れの超一流クリエイター、南波仁志率いるOFFICE NUMBERが取り仕切る「アグリフォレストよごえ」のブランディングチームに、地元デザイナー枠として、突然放り込まれることに。
南波の右腕としてブランディング事業の現場担当を務めるアートディレクター河合裕紀、33歳。
彼女に二股をかけられていた者同士で意気投合した、イタリアンレストランオーナー賀川と遊ぶのが唯一の息抜きになっている。
仕事は超有能で、様々な女性と“親善試合”を繰り返しているけれど、河合もまた、独立や結婚など、その先の人生へと踏み出す覚悟が「できない男」だった。
山と田圃しかない夜越町で出会った、対照的な二人の「できない男」。それぞれが抱えるダメさと格闘しながら、互いに成長していく姿が最高に愛おしい、大人による大人のための青春小説。
本当に良かった!
大人になることで生まれた不自由な感情をよく表していて、興味深かったです。
主人公は2人いて、共にできない男ということで、抱えている悩みは違うけど目指したい道は近いのが良いコンセプトだったのではないか。
仕事、恋愛、自身の気持ちとどう向き合っていくのか、大人に向けたメッセージというのが強くありました。
話の全体を通して、社会人になっている人には思い当たるところが多かった。
読んでいてこれは…と立ち止まる部分が多くて、痛みなしには読めないです。
だが、その痛みが人として成長出来る要因になっていて、読み終えた後には晴れ晴れとした気持ちになりました。
芳野、河合が掴んだ。いや、未来に踏み出した瞬間には拍手を送りたくなること間違いなしです!
社会人は読んで、痛みを乗り越えていこう!