地道に様々な人と関わり、自分が知らない思考を知ることで研ぎ澄まされていくのが分かるし、毎巻のように読んでて予想つかない結末にたどり着くのが楽しい。
離れていたイクスとユーイが再会した最後のあたりは情報量が多くて頭が重くなるが、与えられた情報を噛み砕いていくのは面白いし、読み応えがある。
神様の宗教やら難しいことを言葉でここまでこねくり回せるのかと驚きと同時に言葉の可能性の広さが伝わってきました。
人間は理屈はともかく信じたいものを信じる。
当たり前だけど、多くの人はそうなんじゃないか。
感想を書くのが難しい作品。
それは作品の魅力が簡単には括れないものだからか明確な姿を見せないからか。
静かに紡がれていくあり様がとても好きです。
もっと増えてほしいなと思います。
(あらすじ)
“竜の杖"の依頼から季節はめぐり、冬。イクスは作杖のため、ある修道院へ向かっていた。亡霊哭く“神の街"エストーシャ。魔法杖の祖レドノフの伝説が残るその街で、イクスは職人仲間と出会い、自らの職人としての在り方を見つめ直しはじめる。
その頃、故郷に戻るはずだったユーイはマレー教の勢力争いに巻き込まれ、ノバとともにエストーシャの神学会議に出席していた。異教徒ユーイを召喚した新派の狙いとは――。
レドノフの“究極の杖"は実在するのか。マレー教の、そしてルクッタの神とは。謎の爆破予告で神学会議に動揺が走るなか、イクスとユーイの思惑が“星拝"の日に交差する。杖職人たちの物語、雪と星の第3巻。