羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

きみのために青く光る

きみのために青く光る (角川文庫)

 

今となっては作者買いしているが、初めて似鳥鶏先生の作品に触れた作品なので、印象に残ってる作品です。

久しぶりに読み返しましたが、面白い。

不思議な能力を得て、日々の日常に変化が起きる。

能力を得た人達の短編で、どのキャラクターも戸惑い、悩んでいくが、能力を通して自身の弱さに向き合って成長していく構成は魅力的です。

登場人物がどの人物も好きになれて、ちょっとしたファンタジー要素がミステリーにもなっていて、巧みな手話でした。

どの話も好きですが、最初と最後の青春要素強めで引きが素晴らしいし、2、3話の考えがハッキリしていくのも良い。

1冊で様々な感情が起こされます。

能力も落差があり、そこが読後感に繋がっているのかなと。

 

読み終えた後、登場人物達の未来が楽しみになる短編集でした。

 

(あらすじ)

青藍病。それは心の不安に根ざして発症するとされる異能力だ。力が発動すると身体が青く光る共通点以外、能力はバラバラ。たとえば動物から攻撃される能力や、念じるだけで生き物を殺せる能力、はたまた人の死期を悟る能力など―。思わぬ力を手に入れた男女が選ぶ運命とは。もしも不思議な力を手に入れたなら、あなたは何のために使いますか?愛おしく切ない青春ファンタジック・ミステリ!