羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ストライクフォール4

ストライクフォール4 (ガガガ文庫)

 

待ち望んでいて、遂に発売された新刊。

数年前から出ていなかったが、待ち望んでいた。

既刊の中で1番の厚さを誇るだけあってズッシリとした重みのある物語で読み終えた後の満足感が半端ないです。

雄星がわりと詰みかけている土俵際で悔しさを感じつつ現実と戦おうとするのは良い。

自分の立場をなくして、足元が見えなくなりそうでも周りがサポートしてくれるのは助かりますね。

先が見えず暗い気持ちになる前半から中盤までと対比するように、終盤に雄星が自分の価値を見つけるところは熱くてたまらないです。読んでる側もアドレナリンが出るくらい夢中になれました。

 

強豪相手に引かないシルバーハンズの激闘は素晴らしかった。

選手だけでなく、監督、コーチ達が一丸となって巻き返そうという気持ちが前に出るのは応援したくなります。

 

環のサポートは流石で、彼女がいなかったら雄星が政治家の食い物にされてただろうなと。切れ者だが、危ういところがありそうで心配だ。

 

スポーツ、戦争道具、両側面が浮き彫りになり、裏の陰謀が表に出てきていて、均衡がいつ崩れるのか心配。

単純にはいかない世界で、足掻く雄星達の活躍が今後も楽しみです。

 

 

「コストを払い合う。それがチームだ」

「新しい時代が来た。今シーズンは、激動をもって歴史に残るだろう」

慣性制御、そして散兵戦術が公になった結果、宇宙戦闘ドクトリンは根底から覆された。

第24シーズン、火星ラウンド。
“誇りある白”シルバーハンズは、ガーディアンズと激突する。
最高のフィジカルを持つ女性選手、カレン・フェニックスを擁する軍チームだ。

滾る雄星だが、自身がリンカーとして機能しきれないなか、チームの成績は下降線を辿っていた。
そんなとき、人工的にチル・ウエポン耐性を増強された選手・シルヴィアが送り込まれてきて――?

チームと雄星、ともに正念場を迎える一戦が、幕を開ける。