羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

チーム

チーム (実業之日本社文庫)

駅伝小説はやはり熱くなる。

箱根駅伝に参加出来なかった大学から選ばれる学連選抜チームにスポットを当てた作品。自分の大学は出られないのに自分は走っていいのか。もう競技を引退するのにどんな気持ちで走ればいいのか。それぞれの悩みがあり、その悩みと向き合った結末は印象に残るし、胸な来るものがありました。

自分の為に走っていいからこそ葛藤が生まれていて、寄せ集めチームの意地を感じられる力強い作品でした。

特に印象的だったのは、天才ランナー山城の自分の走りしか興味なかった男の心変わりをそう描くかと。傲慢だった彼の心境の変化は驚くと同時に駅伝のチーム戦の良さを表しているようでした。

 

箱根駅伝出場を逃がした大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。究極のチームスポーツといわれる駅伝で、いわば“敗者の寄せ集め”の選抜メンバーは、何のために襷をつなぐのか。東京~箱根間往復217.9kmの勝負の行方は―選手たちの葛藤と激走を描ききったスポーツ小説の金字塔。巻末に、中村秀昭(TBSスポーツアナウンサー)との対談を収録。