羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

育休刑事

育休刑事 (角川文庫)

 

似鳥先生はミステリーの作りが上手いなと改めて思いました。しかも、社会問題を含みつつユーモア溢れる会話や作風に仕上げるのは流石です。

 

今作は男性の育児休業、しかも警察官で取れるのが奇跡のように描かれているが、当たり前になって欲しいという作者のメッセージを感じました。

しかし、現実にはあまり浸透していないが、徐々に広まっていっている感じか。

育休から育業に変わったのは日本らしいなぁ苦笑

 

話を戻して、今作は育児を主題にあるが、ミステリーとしても楽しめるようになっている。

不思議な状況からどう真実を導くのか先が気になる展開でした。

まさか、調査で赤ちゃんを利用する刑事なんて聞いたことない笑 赤ちゃんの無垢な笑顔の前では警戒が緩むのは仕方ないか。

赤ちゃんが事件解決のヒントを作るというのは上手い。

 

主人公夫婦のちょっとした秘密にはまんまと引っかかりました。終盤の騒ぎで明かされるが、そう来るかと。確かに不明と言えば不明だったな…

 

育児の難しさ、育休を取る難しさ、育児を野次馬する外野の厄介さ、様々な困難が描かれていたが、赤ちゃんの成長や笑顔の前では全て吹っ飛ぶのだと感じました。締めくくりも素晴らしかったです。

 

 

 

 

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