羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

光のとこにいてね

光のとこにいてね

 

ずっしりと心に響く物語でした。

少女と少女、家庭に振り回される少女2人が心を寄せ合い、離れて、また出会い、離れる。ままならない人生を描いていて、最後に掴んだ光には切なさと暖かさがありました。

恵まれない境遇のなか、巡り会えた奇跡。

互いに互いを思っているからこそ、距離が生まれてしまったり、気持ちが揺れてしまう。綱渡りな関係性がどうなるのか気になって仕方がなかったです。

周りの人達も悩みを抱えていて、少女2人の影響を受けて変わっていく様子は安心しました。

生きづらさを感じていても、いつかは立ち上がれる希望と悪い人はいつまでも悪いというシビアな現実が同居していました。

 

 

また、タイトルが良い。いてねで終わっていることで言った人は光のあるところにいないというのを示していて、それでも願う優しさが感じられます。

 

 

『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作


たった1人の、運命に出会った


古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。


運命に導かれ、運命に引き裂かれる
ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語