タイトルに強く惹かれて読みました。タイトルのように思ってしまうのは仕方ないかもしれないが、そこの先まで考えて、歩き出せたのは良かったです。
いったい、どういう意味か気になっていたが、読んでいて察しましたが、不幸な気持ちではなく幸せの方へ向かっていけたのはグッときました。
病気に苦しむ、つむぎと寄り添う、しおりの葛藤が繊細に描かれていて、複雑な人間関係にヤキモキしながらも先が気になって仕方ない展開をしていました。
2人が出会った頃、変わり始めた時、そして向き合わなければいけなくなる今。
病気や未来を思って、苦しむ。
少女と少女の気持ちが痛いほど伝わってくる文章が魅力的でした。
つむぎとしおりの2人が向かい合って掴んだ未来には希望があって良かったです。
親友の恋を、わたしは小説に閉じ込める。
「ずっと一緒に――隣にいてくれる?」「うん。永遠に」幼い頃に交わした約束。それ以来、わたしとつむぎは何をするにも二人一緒で、変わらない関係のはずだった。それなのに――。
「私、恋がしたいんだ。しおりはそれを小説に書いて?」
体が弱く入院中のつむぎが口にした『お願い』は、彼女と、わたしの昔馴染みの男の子との疑似恋愛を小説に書く、というもので――。
一つの『お願い』から変わり始める、わたしたちの関係。恋と小説の中に、つむぎが求めるものとは?
わたしと彼女、そして彼とで紡ぐ青春物語。