羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

虚ろなるレガリア Corpse Reviver

虚ろなるレガリア Corpse Reviver (電撃文庫)

最近、ファンタジー作品は絞って読んでいてこれは!となる作品とはあまり出会えてなかったが、今作は非常に面白かったです!

三雲岳斗先生の作品は一種のブランドというか、型にはめつつその中で登場人物達を暴れさせるのが上手いイメージですが、今作も素晴らしい熱量を感じる作品になっていました。

 

廃れた日本を舞台にしたファンタジーで、主人公・八尋とヒロイン・彩葉が出会い、運命を共にしていく。

そこにいたるまでに、日本が廃退した原因と向き合わないといけなくて、そこには八尋の家族が絡んでいるので、より厳し目な現実と直面する。彩葉にも守りたいものがある。

2人が出会って仲を深めていくのが早く感じるかもしれないが話の濃度が高いので違和感なく、応援したくなりました。

2人以外の人達も癖があって、思惑もあるので油断ならないですが、団結していけると良いなと思います。

 

また、作品の根幹である滅びた原因や登場人物の動く理由などの作品全体の設定が練られてたり、戦闘シーンに惹きつけられるものがあるので満足度が高い1冊になっています。

普段からファンタジー読む人はもちろん、読まない人でも夢中になれる物語かなと。

 

読み終えて、振り返っても導入としてこれ以上ない出だしだったので流石はベテラン作家だ。

胸が熱くなったり、切なくなったり、壁にぶつかりながらも切り抜けていく八尋、彩葉の活躍を最後まで見届けたいです。

 

終わり方も素敵なんだよ…

 

2巻の発売が決まっているので非常に楽しみで!

 

少女は龍。少年は龍殺し。 日本人の死に絶えた世界で、二人は出会う!

その日、東京上空に現れた巨大な龍が、日本という国家の崩壊の始まりだった。
魍獣と呼ばれる怪物たちの出現と、世界各地で巻き起こった“大殺戮”によって日本人は死に絶え、日本全土は各国の軍隊と犯罪組織に占領された無法地帯と化してしまう。
ヤヒロは数少ない日本人の生き残り。龍の血を浴びたことで不死の肉体を手に入れた彼は、無人の廃墟となった東京から美術品を運び出す“回収屋”として孤独な日々を過ごしている。
そんなヤヒロを訪ねてきたのは美術商を名乗る双子の少女ジュリとロゼ。二人がヤヒロに依頼したのは、魍獣を従える能力を持つという謎の存在“クシナダ”の回収だった。
廃墟の街で出会った少年と少女が紡ぐ、新たなる龍と龍殺しの物語、堂々開幕!