羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

M.G.H. 楽園の鏡像 新装版文庫

M.G.H. 楽園の鏡像 (徳間文庫)

 

三雲岳斗先生のSFミステリ作品ということで読まずにいられませんでした。

地球から離れた宇宙ステーションで起こる不可解な殺人事件。

場面が場面だけに緊迫感がありつつもしっかり主人公とヒロインの関係や背景を描いているところが好きだなぁ。

 

SFミステリーとしては動機や殺し方が謎に包まれていて、先が気になる展開になっていて、全てが明らかになった時は、伏線や気になる点を繋いでいく気持ち良さがありました。

宇宙ステーションが舞台で専門用語が多々出てきていましたが、それでも楽しめました。

 

主人公とヒロイン以外の人達にもドラマがあり、犯行の動機などや事件が起きたきっかけなどに深みが感じられました。

 

魅力的な登場人物に堅実な物語運びで素敵でした。

 

姉妹作品である海底密室も気になります。

 

日本初の多目的宇宙ステーション『白凰』で発生した、不可解な出来事。
無重力の空間をゆっくり漂う死体は、まるで数十メートルの高度から“墜落"したかのようだった。
果たして、事故なのか、事件なのか?
従姉妹の森鷹舞以の“計略"により、偽装結婚をして『白凰』見学に訪れていた若き研究者・鷲見崎凌は、謎の真相を探るため、行動を開始することになる……。
斬新な設定とスマートな論理的解決で、各界に衝撃を与えた本格SFミステリー。
第1回日本SF新人賞受賞作を加筆修正し、新装版で刊行。