羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

青色ノイズ〈やきもち〉キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド

青色ノイズと<やきもち>キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド (MF文庫J)


MF文庫第14回新人賞審査員特別賞受賞作品


表紙が良いな〜と惹かれたが、ラノベで音楽は難しいんじゃ、とモヤモヤしながら買って、読みましたが、不安を吹っ飛ばす爽快感を味わえました!


自分の声が嫌いな主人公の透、ノロマで地味な自分が嫌いな音子、自分がいるだけで不幸なことが起きるから死神と呼ばれる小鳥、そして、小鳥との間で後悔があるライオンの4人が仲間と触れ合い、自分と向き合い、自分を変えていくのは読んでて応援したくなりました。


また、今作は青春、ラブコメが混じり合っていたので好みでした。



様々なままならない感情を歌にぶつけていて、感動しました。

ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? だって好きなんだもん

ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? だって好きなんだもん (MF文庫J)


第14回MF文庫新人賞佳作作品


タイトルの通り、主人公の優吾が学園のアイドル的存在の陽毬のことが好きで、告白をしようとして、かれこれ15回以上邪魔が入って無しになってる。邪魔をする正体はラブコメの神様を名乗る、アテナだった。


うーん、告白を15回以上邪魔されて、それでも好きだから仕方ないと開き直るアテナを受け入れなきゃ、この物語を読むのがキツイかな。優吾も優吾で、物語の序盤で怒るのかと思いきや、怒らないでとりあえずは受け入れるのは、どうかと。


ただ、最後の方に優吾が怒り、アテナの内情を知るなど、進展はあった。陽毬の裏も読者には明かされ、キャラのポテンシャルは感じました。陽毬の裏はこの先の展開に組み込まれると良いね。

人形剣士は断ち切れない 一等審問官ガルノーの監視記録

人形剣士<ドールブレイブ>は絶ち切れない 一等審問官ガルノーの監視記録 (MF文庫J)


第14回MF文庫新人賞最優秀賞作品


人形剣士ブレイスは人形少女のリネットと行動している。だが、ブレイスには重大な犯罪行為にあたる攻撃魔法を使用してる疑いがかかっていて、監視として、ガルノー審査官が監視任務に当たっていた。


うん、とっっっっても面白かった!


ブレイスとリネットの決して断ち切れない絆に打ち震えた。最初はガルノーの疑いの通り、リネットが実は生きているんじゃないかと、読んでてどっちだろうと疑ってたが、正体を明かされる時に不意を突かれたし、挿絵効果も相まって、感動した!


ブレイスが普段は飄々としながらもリネットを大切にする想いとリネットのブレイスに対する愛が絡まるラストは必見だ。


ルノーに関してはブレイスとリネットを疑いの目で見ていて、読んでて、少々きつかったが。ブレイス達と行動していくうちに自分を見直して、成長するのは良いなと。


2018年も終わりそうだが、この作品のおかげで、熱い気持ちで終われそうです。



みんな読んで!!!

聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 〜蒼雪のクロニクル〜 Ⅰ

聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 ~蒼雪のクロニクル~ I (MF文庫J)


MF文庫第14回新人賞優秀賞作品

聖語と呼ばれる言葉が魔法のように物理を書き換える。

言葉を武器にファンタジーを織り成す、とても骨太な1冊になっています。


最初は、言葉を武器にするって、どんな感じなのか気になったし、読みづらいのかなとか、ついていけるか、など心配な部分はありました。しかし、読み始めたら不安は一掃されました。

ワケありの主人公の蒼生、蒼生の幼なじみの雪音が暗い過去を持ちながら、困っていた、カロリーナを助けたりしながら、交流を深めていった矢先に、衝撃が… 中盤から前半の雰囲気がひっくり返り訪れる厳しい現実と試練。あぁ、この作品はただ、蒼生や雪音が周囲を圧倒するだけじゃないんだと分かり、悲しいことも起こるが、それでも蒼生と雪音が事件に立ち向かうのが、作品を強くしている。


それと、蒼生と雪音の昔からの付き合いから生まれる、信頼関係が読んでて、物語を彩ってました。


気になった人は是非読んでもらいたい。



続きが楽しみです。

キノの旅 ⅩⅣ the beautiful world


情操教育の国、規制の国、結婚の国、差別をする国、が良かった


「情操教育の国」

・何でもかんでも、自分達の思い通りに子供に強制しようとしたら、反発されるよね。

強制せずに、背中で教えなきゃいけない場合もある。


「規制の国」

・規制って、結局は自分は興味がなくて好きじゃないことは規制しても構わないって思うよね。好きな人間の事なんて考えないよ。

そういう仕組みになってんだね。


「結婚の国」

・結婚って、考えれば考えるほど、ドツボにはまるな笑 国民全体の一致した考えにならないと結婚出来ないとか笑えないんだよなぁ…


「差別をする国」

・差別する人は差別されてることを知ってほしい。差別はしたって、意味がないと思うんだがねぇ。

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 3時間目

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 3時間目 (MF文庫J)


(内容)

中高受験指導塾で働く塾講師・天神の前に突如として現れた、差出人不明の謎のラブレター。 「中学生に見境なく手を出しておいて、このロリコンナメクジ……」 「きょうの、りんは、とってもわるいこ、なので!」 ――それをきっかけに、仲良し小学生たちの人間関係は完全崩壊、仲悪し中学生たちは美術館でダブルデート、おまけにスクール水着でデッサン勝負!? 大混乱の塾と天神のピンチを救ったのは、 「関係者全員を集めてください――わたし、犯人、わかっちゃいました」 ――天下無敵の美少女名探偵(自称)!? 恋する教え子×冷ややか先生で贈る、ミステリちょっぴり恋愛たっぷりの刺激的すぎる年の差三角関係ラブコメ第三弾!


(感想)

謎のミステリー展開かつ、星花と冬燕がばちばちになってたりして、上手くカモフラージュされてて頭から離れてたけど、天神のなけなしの才能が枯れていくのは辛いな。仕事を言い訳にしてたから、そうなるよな。まぁ、ブタ箱で執筆しようか笑 


それにしても、さがら先生って、本質を隠しながら物語を進めるの上手い。読んでて誘導されてしまった。

js.jcのきゃっきゃうふふを書きながら裏でチクチク警鐘を鳴らしてたんだよね。



とにかく次巻が楽しみだ!

あと、解説者も楽しみ。

恋する寄生虫

恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

(内容)

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。

(感想)
三秋先生の作品で初めて読んだ作品だから結構思い入れがあります。この作品に惹かれて、三秋先生の他作品を全て読みました。そして、また改めて読んで、この作品は1.2番目を争う名作だと思いました。
 
高坂と佐薙の他人からは理解はされないかも、しれないが、それでも突き通そうとする初恋を誰が否定出来るというんだろう。
操られた恋だとしても、操られなきゃ、恋が出来なくても、構わない。本物を上回る偽物になればいい。虫に結ばれた男女2人の素晴らしい物語です。
 
 
冬になるとふと読みたくなる、心の逃げ場みたいな作品です。
 
 
コミカライズも原作に忠実で、かつ補足されてる部分がありますので、オススメです。

 

恋する寄生虫 (1) (角川コミックス・エース)

恋する寄生虫 (1) (角川コミックス・エース)