羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

夜空の呪いに色はない

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)


階段島シリーズ第5巻。


遂に階段島における問題、魔女についてと大地の母親について語られる。物語は終わりへと向かっている中、七草と真辺は現実の自分と話し、そして決断する。


いやはやここまで深く物語を描かれていると文章を読むのに夢中になって仕方ない。大人になるためには多くの夜を乗り越えなければならない。過程を飛ばしても大人にはなれるが、大人ではない。大地の母親や時任さんの悩みを理解しながらも意見を出す七草の精神は凄すぎる。てか、河野裕先生の作品の登場人物は大体時頭が良いんですが、今作はよりそう感じますね。


そして、個人的には堀さんが魔女で良いと思うが、どうなるかな。真辺、安達もみんなで魔女になるのか。最終巻である次巻が楽しみ過ぎます。


言葉にならない感情が多くて悩みます。

よるのばけもの

よるのばけもの (双葉文庫)


単行本で読んでたが、文庫版の表紙に惹かれ読みました。

1度読んだ時よりもより作品の命題に気づけたし、最後の引きをよりよく感じられました。1度目はあっけないなと感じてしまい、あまり良い印象を持てなかったんですけど、主人公・あっちーの苦しみが分かったら一変しました。一見、あっけなく感じてしまうかもしれないが、過程をよく読んだら最後の引きに感動しました。


この作品は普通という縛りから抜け出し、あっちーと矢野が"出会う"物語なんだ。


みんなはよるのばけものを飼ってしまってないか?そういうときは普通から抜け出してみよう。そうすれば違う景色が見えるはずだ。

涼宮ハルヒの暴走 角川文庫

涼宮ハルヒの暴走 (角川文庫)

短編集。

消失を経て、キョン長門に気を配るようになったり、長門もちょっとずつ変わっていってて良い。ハルヒもなんだかんだで周りを見てるんだなーと感心。

キョンハルヒが信頼しあっているのもニヤッときますね。


アニメで見てない雪山症候群が面白かったです。

長門にかかる負担をどう分け合っていくのか気になります。


アニメ化されてない範囲に入っていきそうでより一層楽しみです。

友達の妹が俺にだけウザい

友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)


買う前から期待してた作品。どうやら、発売即重版が決まったみたいでめでたい。


内容としてはラブコメで珍しい、主人公の友人の妹・彩羽がグイグイ主人公・明照と物語を引っ張っていって、ラブコメの敷居を広げる新しい境地でした。

妹の彩羽がとにかくウザい、ひたすらウザい。だが可愛い。ウザさの裏には…


ブコメだけでなく、クリエイターものの要素もあり、1巻ではキャラ見せで終わってしまったから2巻ではどう振り切ってくるか気になります。


主人公・明照は効率重視で動いているが本人が気づかないが助ける人のために動いてのが良いですね。本人は認めないが、周りの人達が明照を理解してる空気が素晴らしい。


明照や彩羽以外にも個性的だし、メインキャラ以外も見どころがありそうです。

そして、ヒロインがダブル体制みたいで最後に片側が爆弾を投げて終わりましたので、次巻が楽しみです!

マージナル

マージナル (ガガガ文庫)


(内容)

殺人や拷問を愛好する異端者たちが集うアンダーグラウンド・サイトの管理人である月森高校二年生の摩弥京也は、巷を騒がす連続殺人犯と偶然ネット上で知り合った。彼からとある惨殺画像を受け取った京也は、その死体がクラスメイト南雲小百合のものだと気づき、結果、犯人から狙われることになる。小百合の葬式で彼女の妹・南雲御笠と出会った京也は、御笠に犯人捜しを手伝わせて欲しいと請われ、二人は事件を独自に調べ始める…。圧倒的な筆力で贈る新感覚サイコ・サスペンス。第一回小学館ライトノベル大賞・大賞受賞作。

(感想)

最近刺激ある物語を読んでなかったなーと思い、ブラブレで読者を痛めつける神崎紫電先生の作品ならば良い刺激があるかもと思い読みました。

サイコ・サスペンス作品として確率されていて、完成度が高いなと思いました。それと、物語のバランスというところで狂人達の狂った一面だけでなく、そんな彼ら彼女らにも日常があるというところまで描かれていて、細かなところまで補足されるのはありがたいです。

そして、主人公・摩弥京也が人として大事な一線の狭間で揺らぎつつ、行動するジレンマがあり、良いです。そして、彼が軽口叩くことで雰囲気が和らぐので、作品のバランスを保っていられるんだなと。


京也とヒロイン・南雲御笠の行方が気になります。


良作です!

夜明けのブギーポップ

夜明けのブギーポップ (電撃文庫)


ブギーポップシリーズの前日譚。


ブギーポップ炎の魔女が生まれる話に夜明けというタイトルをつけるの最高過ぎでは?


物語の前日譚はどんな作品でも心踊るものですが、今作はより一層胸が熱くなりますました。それは、ブギーポップ霧間凪が凄く魅力的に書かれているからだろう。

様々な人と人ならざるものと関わって生まれたという背景があるだけに良く写ります。


ブギーポップ×エコーズ

霧間凪×スケアクロウ

この組み合わせは最強ですね。

特に凪とスケアクロウの絡み方は悲しいし寂しい気持ちになるが、互いに救われるというバランスが好き。


アニメでも面白かったが、原作も面白い。

是非読んでもらいたい巻ですね。

ふあゆ

ふあゆ (ガガガ文庫)


衝撃作。発売された時になんとなく買って読んだら、やみつきになったのは忘れられません。自我と認識という確かなテーマを持って書かれているので、しっかりとしたストーリーラインが構築されています。おかげで途中にダレることなく最後まで突っ走っていきました。

そして、コミカルな会話と気持ちよく開き直った性格を持っている、主人公・ツクシがあまり見かけない主人公像で面白かったし、思い切った行動をするので、素直に好きになりました。


お話としては残酷な部分を含んでいますが、読み終えた後は不思議なぐらいスッキリ出来ます。


自分は誰だ?あなたは誰だ?自我と認識は大切。これ、テスト出ます。