羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

マージナル④

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京也がヴェルツェーニとしての役割を終える。物語的には一区切りついた。

1巻から京也は御笠を殺したい、でも殺したくない、という矛盾に悩まされてましたが、今巻では殺す相手ではなく、守りたいと思い、奮起するのは熱い。それにしても、非常になり切れず、優しさを残して生きてる京也の人間臭さがたまらなく好きですね。

そこらへんの心情描写が上手な神崎先生だからこそ、上質になっていたんだろう。


残りの2冊がどんな話になるのか楽しみです。



それにしてもずっと近い仲間だと思ってた、スターマインがここまで悩んでたとはな〜

スターマインも更生することを願う。

キノの旅ⅩⅨ the beautiful world

今巻はサラサラ読めるし、良い話(皮肉)ばなりで良かったです。


「首輪の国」

・犬はたしかに噛みついたり、迷惑かけるけど、人間はもっと酷いでしょ?とティーが素朴に問いかけるのがツボ。


「守る国」

・この話はへぇーとなった。守るって大半は良い話になると思うんだけど、この話では守るということは悪いことも含まれてるっていうのに唸りました。


「助けに来た国」

・まーた、フォトの良い話が来たか。助けるって同じ種族だから成り立つのかと思うと悲しいけど、逆に助けられることがあるのかもしれないな。


「撃ちまくれる国」

・コミカルに面白い。普段から撃ちまくれる状況だから、銃の危険さはよくしってるから気軽に使えわないのは良いのか悪いのか分からん笑

ブギーポップ・ミッシングペパーミントの魔術師

ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 (電撃文庫)


今回はブギーポップや凪はあまり出ず。

軌川十水という男に焦点が当てられて、進んでいく。

軌川は人の痛みを取り除くことができる。それは一見幸せかもしれない。痛みを経験したいと思う人は少ないと思う。だが、それで良いのか?痛みを感じないということは前に進めないというふうに感じる。実際、何か前に進むためには困難や苦痛を感じながら成長していくと考える。いわば出発点。痛みを取り除くということはそこから動くなと言ってるようなものだと思う。

だが、軌川は寺月や周りにそそのかされてやってたから多少は大目に見れる。しかも、自分の過ちに気づき、正そうとする。なんて良い男なんだ。ピエロみたいに終わらず、自分の意思を証明し、生き残る最後には救われました。またいつか、現れてほしいです。



そして、懐かしの飛鳥井さん登場。なんだかモヤモヤが晴れたようでなにより。この人もまた登場したらなと。

罪人楽園

罪人楽園 (MF文庫J)


タイトル、表紙、あらすじ、全てに惹かれて読んで見たらめっちゃツボに刺さる、ダークファンタジーでした。

罪人が大量に世に放たれ、大迷窟に潜りこむ事態に。そんな時に過去に傷がある主人公・ウィルがとあることをきっかけに、大迷窟に潜ることに。


バンバン人は死ぬし、罪人は頭が吹っ切れたやつばかりで癖のある作風ですが、個人的には好きな部類なので、しっかりハートを掴まれました。


主人公のウィルが迷いながらも前を目指す王道なところが良いです。ヒロイン?達は妙に個性的な面々で、どう進んでいくのか楽しみなシリーズです!



裏切り、グロ、ダーク、そんな題材が好きな方は非常に刺さると思います。

七つの魔剣が支配するⅢ

七つの魔剣が支配するIII (電撃文庫)


今、人気が出てるファンタジー


前巻ピートが窮地に陥って、焦るオリバー達。そんな時、不思議な先輩・ ミリガンが声をかけてくる。


うーん。オリバー達の苦悩などかよく書かれてるし、ピートがどれだけ危ないところにいるのかを表していて、最後にピートが助かったところは読者的にやった!と盛り上がりました。あと、オヒィーリアの生い立ちで、絶望から幸せにいき、そして絶望に戻ったので、悲しい話で終わるのかと思ったら、最後に光が差しこんで美しい話でした。ただ、今回は上手くいったけど、これからどうなるか目を離せないです。


1年生編が終わり、次巻からは2年生編へ入るわけなんですが、オリバーの闇仮面モードが鳴りを潜めていたので、そろそろ復讐の鬼と化して欲しいなと。個人的な欲ですね笑



続きが楽しみです!

名探偵の証明

名探偵の証明 (創元推理文庫)


諸行無常。時代は常に移り変わっていく。


かつて名探偵として名を馳せた屋敷啓次郎が自分の老いと戦い、そして名探偵の宿命に立ち向かう話。


渋いおじさんが好きな人は絶対に読んでほしい。


若い名探偵の蜜柑が持て囃される中、屋敷は過去の後悔と向き合い、答えを出す結末は泣くしかない。名探偵ということを追求した今作でしたが、改めて名探偵は誰でもなれるものではなく、覚悟が必要ということだ。


終始、屋敷の生き様に惹きつけられて、読み終わった後のなんとも言えない感情を大切にしていこうと思いました。



名探偵や渋いおじさんが好きな人に是非、読んでもらいたい力作でした。

やがて君になる(7)

遂に侑と燈子が離れていく…

側から見ればお似合いなんだけど、心が追いつかないもどかしさや葛藤が渦巻いてる。


そんなこんなで沙弥香のターン。

修学旅行で告白。

想いは報われなかったが、燈子の好きを引きずり出せたのは沙弥香だけなんだよなぁ。凄い画力と言葉のセンスで、作中屈指の名場面になった。


そして最後に侑と燈子は走りだす、気持ちをぶつけ合うために。


次巻で最終巻なのが非常に残念だが、楽しみです。


どんな結末を迎えるんだろう。