羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

星降る夜になったら

星降る夜になったら【電子特典付き】 (MF文庫J)


スニーカー文庫で描いていた作者がMF文庫に参戦。


表紙やあらすじを見てるだけでこれは読みたいと思っていた作品でした。

いざ読んでみたら、序盤から事細かな描写や主人公・准太とヒロイン・佳乃の徐々に縮まっていくニヤニヤする関係の推移などに浸れます。

ただ、そのまま明るい青春で終わることはなく…

准太目線から佳乃目線へ。

序盤から終盤へ章を重ねるたびに胸が苦しくなる展開をしていて、最後までどうなるのか分からないもどかしさがありました。

また、准太と佳乃の周りにいる人達が暖かくて優しくて… だからこそ辛くもある。


みんな自分ではない誰かのために彗星に願ったばかりにすれ違い続けるというのは悲しい。だけど、その悲しみの奥に潜む暖かさには救われました。


明るい話ではないが、暗い話で括りたくない。そんな読み心地でした。

とても味わい深い作品で、何度だって読み返したいと思いました。


別レーベルの宣伝になりますがスニーカー文庫で出しているあまさきみりと先生の作品の

キミの忘れかたを教えても良いですよ。

1巻

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2019/02/19/キミの忘れかたを教えて

2巻

https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2019/03/05/キミの忘れかたを教えて


(あらすじ) 

今と違う設定で、 もう一度出会いたかった――。 
この身が滅びようとも、佳乃を救いたい――。だけど、 
《それだけを願っても救われないことは分かっていた》 
花菱准汰の日常は、起きる⇒学校へ行く⇒遊ぶ⇒寝る。ただそれだけ、省エネで適当であることは彼らしさだった。渡良瀬佳乃は真逆。作業BGMでも、この作業に聴く音楽コレ、食べ物のベスト温度はコレと超が付くほどのこだわり派。 
そんな2人はとある補修を通じて出会い、恋にも似た感情を抱くようになる。が、佳乃は謎の奇病に伏すことに。……しかし、奇跡は起きた。彼と彼女は他人となり、性格も変更され、生きることが許された。 
――両思いが故にすれ違うことを選んだ、最高に美しくも儚い命の物語。