羽休みに娯楽を

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むすぶと本。『外科室』の一途

むすぶと本。 『外科室』の一途 (ファミ通文庫)


野村美月先生の作品が読めるとは嬉しくてたまらないですね。

まぁ、全作品を読んでいるわけではないんですが…


さて、本作は本の声が聞こえる少年・むすぶを軸にして、本を大切にしているからこそ苦しんでいる人や本の内容と自身を重ね過ぎてどこへ行けばいいのか分からなくなってしまった人達と向き合っていくという話。

どの話も甘くて苦しいところは有るんですが、最終的にみんな救われているというに安心します。

個人的には最初の話が1番好きですね。

読者と作品ではある意味理想的な関係だったので。


むすぶは本の話を聞いてヒントを得ていくというのが愉快で良いですし、ヒロインの夜長姫や王子的な存在の姫倉先輩がむすぶを支えているからむすぶも前を向いていられるし、逆に夜長姫や姫倉先輩もむすぶに救われているという関係が良いです。


まだ始まったばかりでむすぶと夜長姫や姫倉先輩との馴れ初めが明かされておらず気になりますし、どうやらむすぶを好きになってしまったヒロインもいるようで、これからが楽しみです。


この作品を読むと一つ一つの本との出会いや思い出を大切にしようと思いました。


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https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/07/01/210000


(あらすじ)

野村美月×竹岡美穂が紡ぐ、人と本のための物語、開幕! 
本は読み手を、深く愛している。 
本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!