むすぶと本。外科室の主人公のむすぶの出張編。
本の声が聞こえるむすぶが来たおかげで埋もれるはずだった真実が大切な人達に伝わることが出来て良かったです。
店主を失って閉店することになった書店に支えられた人達が、店がなくなる前にやり残したことや思い残すことがないように前に進めるようになっていくのがとても良いです。
王道な流れですが、野村美月先生が描くと文章を追っていくだけで心が温まったり胸が苦しくなるので、凄いです。
登場する人物達の想いが晴れていく様が見応えあります。
むすぶが来たおかげで、本と人、人と人の繋がりが浮かび上がっていて、良い物語の流れでした。
様々な人が褒めて、死を惜しんだ店主の人となりや最後に考えていたことが分かる最後には感動しました。
この作品読むと書店のありがたさや大事な場所だということが伝わってきました。
こちらも
https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2020/06/30/210000
(あらすじ)
街の“最後の書店”で起こった、かけがえのない出会いと小さな奇跡の物語
店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。そこに現れたのは、故人の遺言により幸本書店のすべての本を任されたという都会から来た高校生・榎木むすぶ。彼は本の声が聞こえるという。その力で、店を訪れる人々を思い出の本たちと再会させてゆく。いくつもの懐かしい出会いは、やがて亡くなった店主・幸本笑門の死の真相へも繋がってゆく――。“本の味方!”榎木むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー。