羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

春夏秋冬代行者 春の舞 下

春夏秋冬代行者 春の舞 下 (電撃文庫)

 

下巻。上巻で残したものをどれだけ拾い上げていくのかと心配もありましたが杞憂でした。

不安だったこと、抱えていた悩みや葛藤、季節間の距離、などなど気になっていたことが綺麗さっぱり解消されて、読後感が爽やかです。

秋の現人神が攫われて、春夏秋冬の現人神、補佐が一同に会するように動き出していき、最後に集まった全員の姿には胸の高鳴りが止まりませんでした。

バラバラに分かれていた各季節の関係や気持ちがほぐれていき、全員が幸せになってくれるハッピーエンドで良かったです。

 

また、黒幕への制裁はきちんとされているので良かったです。

やっぱり、キャラクター的には冬と春が再会してこれから一緒にいるんだと思うと幸せな気持ちになりますね。

 

素晴らしく美しい物語で、心に響く作品でした。

 

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の暁 佳奈が贈る、四季の物語。

「独りにしないで。お願い帰ってきて」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
『春』の少女神雛菊には生涯の忠誠を誓う剣士が居た。名を「さくら」。職位は代行者護衛官。愛する主を拐かした者へ、悲劇を傍観していた者へ、自分達を傷つけた全ての者に復讐すべく刀を抜く。主を守って死ぬと決めた。だからもう迷わない。師と仰いだ男への恋慕は捨てた。これより先は、覚悟ある者だけが進める戦場なり。いざや、春の舞を踊ろうぞ。
暁 佳奈が贈る、春を世に顕現する役割を持つ少女神の物語。堂々完結。