待っていた新刊。
ベルやオラリオ中を洗脳していたフレイヤへの怒りが収まらないオラリオの面々。
強敵フレイヤファミリアが相手ということで、かなり厳しい綱渡りを繰り広げていました。
圧倒的な力の前に屈するのかとハラハラしながらも、微かな可能性を拾い上げるベル達。激闘の果てにたどり着いた結末には暖かさがありました。
前半から中盤までのフレイヤファミリアの蹂躙からの、どんでん返しには胸が熱くなりました。
様々なキャラクターの奮闘が描かれていたが、個人的にはリリをMVPに推したい。
フィンからの教えがあったとはいえ、よく指揮を取っていた。
フレイヤファミリア、ベル達連合軍、それぞれの理由があり、事情がある。深く描いたこそ、厚みのある戦争になってました。
最終的に寂しさを抱えた女神を救う、良い英雄譚でした。
白妖精は誓う。女神に捧げる忠義を。
黒妖精は刻む。ただそれだけの想いを。
小人は哭く。四つの後悔を力に変え。
戦車は進む。女神以外全てを切り捨て。
そして、猛者(おうじゃ)は問う。
夢想でも詭弁でもなく『力』の証明を。
「この身を超えられぬ者に、『女神』を救う価値などなし」
誰も、何も間違っていない。
ただ女神を想い、己(エゴ)を貫いて、かつてない『大戦』を駆け抜ける。
だから、誰よりも傷付き果てる少年は――黄昏の空に、『偽善』を告げた。
「あの人を助けるって、約束したんだ」
これは少年が歩み、女神が記す、
──【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──