羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

校庭には誰もいない

校庭には誰もいない (角川文庫)

面白い上に読みやすい。

青春とミステリの配分が上手い。

主人公・葉音の心踊る様子や各話の謎の真相が気になって仕方なかったです。また、真相に至るまでの推理もスムーズで良かったです。

葉音の恋というか、憧れ。青春に対するモチベーションは眩しかったです。

だからこそ、物語が進むにつれて人の裏側を考えることが増えていく。

各話完結かと思いきや、全て繋がっているので満足度がありました。

春、夏、秋、冬の謎を通して、成長した葉音の心境を読むとジーンと来るものがありました。

 

作者の他作品も読もう。

 

晶嶺館高校合唱部。部員2人。新学期目前の春休み。部員の葉音梢は、入部希望ノートに「中村雫」という見知らぬ名前を見つける。もしかして新入生?入学式前の不自然な時期と思うも、梢は期待に胸を躍らせるが、部長の宮本耕哉は、入部希望者じゃないと断言。しかも、卒業生、在校生にも「中村雫」は存在しない。では彼女は何者なのか?部室荒らし、消えたDVD、5年前の文芸部機関誌…四季と音楽に彩られた珠玉の青春事件簿。