羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

俺がピエロでなにが悪い!

俺がピエロでなにが悪い! (講談社ラノベ文庫)

 

主人公・樹が真っ直ぐな気持ちで病気で落ち込む少女・茉莉ちゃんを笑わせたいという目標を抱えていて、応援したくなる物語でした。

ブコメ要素もありつつ、青春要素が濃厚で素晴らしい読後感でした。

樹がストリートパフォーマーを目指すきっかけが描かれているからこそ茉莉ちゃんを笑わせようと努力する姿勢に説得力がありましたし、ピエロとして振る舞う姿にカッコ良さを感じました。

 

学校ではボッチだがギャルの市川と関わることになり、奔放な彼女に振り回されていくうちに市川の秘密に触れることになり、迷いながらも樹が自分の意思を貫けて良かったです。

樹の周りにいる家族や、ギャルの市川や優等生の桜井、担任の吉沢先生、など登場してくる人物が優しくて、素直に樹と市川の奮闘が輝くようになっていました。

 

終盤に茉莉ちゃんを笑わせようとするショーは見事な感動を生み出していて素晴らしかったです。弱っている子供達を笑わそうとするピエロは尊い存在なんだと考えさせられました。

 

樹と市川の掘り下げがよくされていて、2人のこれからが楽しみです。まだ掘り下げるところがあるので続いてほしいです。

 

 


「――イッツ、ショータイム!」
学校ではボッチキャラな俺だが、実はもう一つの顔を持っていた。
ストリートパフォーマーという将来の夢のため、ホスピタル・クラウン――病院を訪問して芸を披露するボランティアをしているのだ。
そして、俺は茉莉という入院中の少女をなんとか笑わせたいのだが、どうしても彼女は笑ってくれない。
今日もダメだったか……とうなだれる俺の前に、クラスメイトのギャル・市川愛莉が現れた。
「ウケるー! マジでピエロだし! ほんとにいたんだー!」
あぶねえ。ピエロ姿でバレなかったが、どうして市川が病院に……?
ボッチなピエロとビッチ(?)なギャルの学園ラブコメ、開幕!