羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

世界一ブルーなグッドエンドを君に

世界一ブルーなグッドエンドを君に (メディアワークス文庫)

 

素晴らしい青春再生物語でした!

青春と後悔、少し不思議な現象を上手く料理している作品だなと思いました。主人公、湊はサーファーとして生きていたが、怪我によって消化不良を起こしていた。

そんな湊の携帯に彼を好きだという少女、すずの魂が宿ることで湊の人生が再び熱を取り戻していく様子に惹かれました。

 

読んでいて湊がすずと出会い、彼女の湊への想いが伝わっていくことで、湊は好きなものと向かいあっていく。

その関係が深まっていくことで、すずの記憶が取り戻されていき、彼女の秘められた事実に近づいていき湊の心は揺れていく。

 

湊とすずが互いを想い過ぎて気持ちが溢れてぶつかってしまい。どうなるかとヒヤヒヤしました。高ぶっていく想いのぶつかり合いは良いですね。

 

作品に仕掛けられた伏線も見事で、タイトルに上手く繋がってました。

タイトルの意味や不思議な状況が綺麗に一本の線になっていく美しさがありました。

 

まだ見ぬ君に、恋をした。出会うはずのない彼女と過ごしたマイナス365日

『どうか、彼女が死にますように』著者・最新作!

天才サーファーとして将来を嘱望されつつも、怪我により道を断たれてしまった湊。
そんな彼のスマホに宿ったのは見知らぬ不思議な女の子、すずの魂だった。
実体を持たず、画面の中にのみ存在するすずは言う。
「私は大好きな湊くんを立ち直らせるためにやってきたの」
それから始まる二人の奇妙な共同生活。やがて明らかになるすずの真実は、湊を絶望させる。だが、それでも――。
広がる海と空。きらめくような青。これは出会うはずのない二人が紡ぐ、奇跡の物語。