マジシャンのマジック中に起きた不可思議な死のトリックを暴くために動く萌絵と達観している犀川先生。
萌絵の現実の事件への食いつき方は危ういを通り越している感じ。何度も犀川先生に助けられていて、鈍ってきているのか。
警察に関しても、萌絵に振り回されて大分情けない。
誰か叱れる人がいないのかと思うが、犀川先生がなぁ…
事件の真相に関しては複雑な仕掛けを疑ってしまう心理を突いたもので、まさにしてやられました。
また、名前、名誉についての言及にはなるほどなと唸りました。
名前はあくまで、名前で価値を表す。
犯罪者や成功者のように価値が動くと名前の意味合いも変わってくるのだなと。
動機に関しては追求しないのが今シリーズの特徴だが、理解よりも納得を優先してしまうのを忌避する感じですね。
今回は不思議な仕掛けが施されていて、奇数章しか収録されていないので、ぶつ切り感がありした。
次巻の偶数章でどのような仕掛けがあったのか楽しみです。
天才マジシャン、死してなお奇跡を呼ぶ――
事件は、奇数章だけで描かれる。「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻(ありさとしょうげん)が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。