読んで良かった!そう思える小説と出会えました。
パッケージの良さとあらすじの、人は食べたものと読んだものでできているを読んだら読まずにはいられない。
読書好きには堪らない台詞回しに胸が躍りました。生きていて、本を読まずにはいられない人には響く物語でした。
目が不自由なよう子とバツイチで悩める本間のロマンチックだけど、どこかシビアな現実が心に刻まれる。
よう子は見えない苦しみと母との関係に悩み、本間は最愛の息子と離れ離れにならないといけない辛さを抱えている。
そんな2人が様々な人を介して、遠くから近づいていく様子はグッときました。
悩みながらも前に進んでいくことで素晴らしい読後感でした。
「人は食べたものと、読んだものでできている」──書評家のよう子は、神楽坂に盲導犬のアンと暮らしている。
出版社の担当の希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。
一方、神楽坂で〈古書Slope〉を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。
書物への深い愛と強い信頼、それを共有できる大切な人。本に込められた〝想い〟を伝えていく──。
(解説・新川帆立)