羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

きみの世界に、青が鳴る

きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)


階段島シリーズ最終巻。


この物語は七草と真辺が軸に回っていて、最初から最後まで突き通していて、良かった。

七草と真辺は互いに補い合っていて、だけどわかってないこともあって。それはとことん話し合う。 


大地くんの問題、魔女について、考えに考えぬいて辿り着いた結末は良いところだったのではないかな。


思考の渦に飲み込まれて、全てを把握し切れてないのだが、そこは何度でも読み返して、考えて考えて、少しでも理解しようと思います。


良い作品でした。

探偵はぼっちじゃない

探偵はぼっちじゃない


本屋で一目惚れし、読みました!

表紙やあらすじ読んで良いな〜と思ってたら帯に作者が15歳という情報が。驚いて、これは買うしかないなと。

お話は中学3年生という多感な時期に共同して小説を書く。という緑川・星野視点と新任教師で理事長の息子という立ち位置の原口と過去を引きずっている石坂の視点を掛け合わせて、徐々に謎が浮かび上がっていく展開は圧巻でした。ただ、最後の展開は詰めが甘いように思ってしまうが、どうだろう。


帯に15歳という情報があるからどうしても意識してしまい部分はありますが、良い作品でした。


これからも坪田侑也先生には小説を書いてほしいなと思います。

屋上の名探偵

屋上の名探偵 (創元推理文庫)


日常の謎が読みたくなったので、読みました。

内容としてはもうひと押し、なんかほしいなと思いました。

シスコン主人公・悠介と屋上に潜んでる名探偵・蜜柑が協力し合い謎に挑む。蜜柑は過去に嫌なことがあり出来るだけ目立たないようにしているが、その知性が知られるのか興味が湧きます。

悠介はもう少しひとり立ちしないと物語に埋もれちゃう。


学園の日常の謎系は好きなので、続巻に期待します。

名探偵に薔薇を

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)


虚構推理の城平京先生のデビュー作


素晴らしいの一言。

二部構成になっていて、一部、二部片方でも楽しめるようになっています。しかし、両方読むとズシリとした重みを感じる真相を感じ

られるので、是非最後まで読んでもらいたいです。


童話をモチーフにしながら現代に事件を起こす。予想もつかない展開の連続で、読み応えのあるミステリーでした。

また、名探偵・瀬川が背負っているものはミステリー小説の名探偵たちが大体は持っているもので、最後の苦悩には胸が割かれる気分でした。


名探偵が好きな人に是非。

夜空の呪いに色はない

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)


階段島シリーズ第5巻。


遂に階段島における問題、魔女についてと大地の母親について語られる。物語は終わりへと向かっている中、七草と真辺は現実の自分と話し、そして決断する。


いやはやここまで深く物語を描かれていると文章を読むのに夢中になって仕方ない。大人になるためには多くの夜を乗り越えなければならない。過程を飛ばしても大人にはなれるが、大人ではない。大地の母親や時任さんの悩みを理解しながらも意見を出す七草の精神は凄すぎる。てか、河野裕先生の作品の登場人物は大体時頭が良いんですが、今作はよりそう感じますね。


そして、個人的には堀さんが魔女で良いと思うが、どうなるかな。真辺、安達もみんなで魔女になるのか。最終巻である次巻が楽しみ過ぎます。


言葉にならない感情が多くて悩みます。

よるのばけもの

よるのばけもの (双葉文庫)


単行本で読んでたが、文庫版の表紙に惹かれ読みました。

1度読んだ時よりもより作品の命題に気づけたし、最後の引きをよりよく感じられました。1度目はあっけないなと感じてしまい、あまり良い印象を持てなかったんですけど、主人公・あっちーの苦しみが分かったら一変しました。一見、あっけなく感じてしまうかもしれないが、過程をよく読んだら最後の引きに感動しました。


この作品は普通という縛りから抜け出し、あっちーと矢野が"出会う"物語なんだ。


みんなはよるのばけものを飼ってしまってないか?そういうときは普通から抜け出してみよう。そうすれば違う景色が見えるはずだ。

涼宮ハルヒの暴走 角川文庫

涼宮ハルヒの暴走 (角川文庫)

短編集。

消失を経て、キョン長門に気を配るようになったり、長門もちょっとずつ変わっていってて良い。ハルヒもなんだかんだで周りを見てるんだなーと感心。

キョンハルヒが信頼しあっているのもニヤッときますね。


アニメで見てない雪山症候群が面白かったです。

長門にかかる負担をどう分け合っていくのか気になります。


アニメ化されてない範囲に入っていきそうでより一層楽しみです。