羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

気持ちがすれ違う複雑な4人 君は誰に恋をする

君は誰に恋をする (LINE文庫)


表紙の4人の姿を見て、あらすじを読んで、これは複雑な四角関係の恋だと知り読まずにはいられなかったです。


直感で読み始めましたが面白かったです。

主人公の空とヒロインの可奈が別々のクラスメイト、凛と剛を好きになっていて協力しあう。これは空と可奈が協力関係を進めていくうちに互いに好きになってしまうのは読めるが、それが良い。空の好きな凛の気持ちが物語を掻き回すが、凛の本音も悪いことじゃないから辛く感じる。

空、可奈、凛、剛、複雑な4人関係で、誰が悪いわけじゃないから気持ちをどこに向けるかが大事。空、可奈を素直に応援すると良い読後感になります。気持ちのすれ違いかたの描き方が良かったので、良い感じにハラハラしました。


最終的に空、可奈、凛が気持ちを吐き出して、未来に進むのが良かったです。


単巻でも良さが伝わっていますが、続いても大丈夫だと思います。


青春です。


魔女と弁護士の正義とは やさしい魔女の救いかた

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井上悠字先生の新作。


魔法使いが現代にいたら、疑わしきは罰せずというか、魔法を使えない人から見ると疑いにかけられるから魔女裁判が起こるでしょう。

ただ、魔女視点から見ると理不尽だよな。

そんな理不尽さを説明しつつ、やさしい魔女・ティナが自分のポリシーを曲げずに人助けに魔法を使うのは素敵です。

自分が損するかもしれないのに、人の為に動くティナを見ると、勇気が貰えるし、心が暖かくなります。

ティナの弁護士・ツカサは頭が固いがとにかく真っ直ぐな主人公で、ティナをよく支えていました。裁判でのツカサの活躍は見事。


ティナ、ツカサの活躍だけでなく、過去の背景も物語に組み込んでいて良かったです。


この作品はやさしい魔女とルールの正しさを信じる少年のあり方に心が洗われますね。

ミステリが好きずぎる男 異世界の名探偵1 首なし姫殺人事件

異世界の名探偵 1 首なし姫殺人事件 (レジェンドノベルス)


異世界でミステリー?ということで、一体どんな話だろうと興味が湧く内容で、読みましたが、これが面白い。

主人公の俺はミステリ好きを拗らせて、ろくな死に方をしなかった。しかし、ファンタジーの世界に転生して、その世界にない現代の知識を武器に成り上がっていく。

友人にも恵まれ、順調に成長して、そろそろってときにある事件に巻き込まれる。


成り上がっていくものとしてや本格ミステリとしても楽しめる作品になっている。


ある視点を持っている読者なら犯人を割り出せるな。フェアな事件であろうとする作者の腕が良かったです。


主人公のヴァンだけでなく、友人のレオ、キリオも魅力的で、好きになりました。


1巻ということで、物語の導入ですが、衝撃なこともありながら、この続きが読みたいと思いました。



次巻を楽しみにしてます。

二度読み必須の恋愛 太陽のシズク 〜大好きな君との最低で最高の12ヶ月〜

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三田先生がファミ通文庫ではなく、別のレーベルから出すと知り楽しみにしていました。

余命短し理奈と恋人となったもののラブストーリー。

見事に作者の手のひらの上で転がされて、読み終わった後は驚いて、また一から読み返したくなる恋愛物語でした。

主人公・理奈が恋人であるシュウとのシーンが少ないなとは思っていたが、そんな仕掛けを組み込んでいたとは、見事です。

一度だけでなく、二度読めば、違う感想が出てくるの間違いないです。

 

プロローグでも述べられているが、ハッピーエンドなのか、バットエンドなのか、読み手によって分かれると思う

是非、読んで確かめてほしいです!

 

人生が幸せかは不幸な目に遭わないと気づけないですよね。

 

この作品は恋愛小説だが、それと同じく、人生を生き抜く大切さが伝わってきました。

 

自分の人生を生きていきたいと思います。

病弱探偵 謎は彼女の特効薬 文庫版

病弱探偵 謎は彼女の特効薬 (講談社文庫)


病弱少女・マイの唯一の楽しみは幼馴染・ゲンキが持ってくる謎を解く事。

探偵とワトソンのような2人だが、思春期の男女ということで、ミステリーだけでなく、ラブコメとしても見れて楽しい。

基本はゲンキの報告でマイは謎を解くから、ちょくちょく外すのはミステリー作品としては珍しく感じます。ただ、その裏に隠れているものを当てるので、上手く軌道修正してます。


様々な謎な解決に病気の症状が重なっていて、めんどくさそうな設定だと思うが、読み進めていけば気にならなくなります。



軽く読めて、謎やラブコメも味わえる良い作品だと思いました。出来るならば続きが読みたいです。


珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように

珈琲店タレーランの事件簿 5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)


連作短編仕掛けで、人間関係のドロドロした部分を垣間見える話でした。

重たいところがありますが、時折見せる美星さんの可愛い嫉妬に癒されつつ、まだアオヤマと付き合ってないのか…と思う。


源氏物語を深く知っていたらもっと楽しめたかもしれません。

そして、巻数ごとに作風が変わるのは驚くが、それでも読みたいと思うシリーズですね。


刊行ペースは遅いかもしれないが、完結まで読みたいです。


愛を育てる ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝

KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝


映画を観たら読みたくて仕方がなかったです。ただ、映画の内容は前半のみ収録で、後半の話が読みたい!続巻で収録されるのを期待します。


外伝ということで、ベネディクトやカトレアの掘り下げが入ってて、2人へ抱いていた印象がまるっきり違ったように思う。上手くアニメに落とし込んでるなと。

キャラを深く知れて、これぞ短編の醍醐味。



そして、ヴァイオレットの気持ちの変化が著しい。ギルベルトと逢引を重ねて、どんどん愛を深めていってほしい、ご馳走さまです。


続巻が読みたいです。