死をどうやって迎えるのか。
(あらすじ)
寿命を三日ほど延長させて頂きました―入院中の僕の前に現れた“死神”を名乗る少女。なんでも死神には、リサイクルのため、濁った魂を集めるノルマがあり、その達成のため勝手に寿命を延ばしたというのだが…。綺麗に死にたいと言う嘘つきな少年、物語の中で自殺した小説家、世界を「良い人」で埋め尽くす計画を立てた青年、誇り高き老道化師。死が迫った濁った魂たちは、少女と出会い、何を選択したのか。優しくて切ない四つの物語。
死ぬ間際にまだ生きられるチャンスを得られたらどうなるかな。
この作品だとどの人物も前向きになれていて、良かった。
残酷のようで優しいエピソードで一つ一つの話が身に染みます。
最初の綺麗な嘘をつく少年の話は、当てはまる人が多いのではないか。
死って想像するだけで嫌なのに、近づいてきていて、大切な人と別れなくてはならなくなったら、本音が剥き出しになるよ。
死神との関わりかたも好きでした。
小説家の話は一冊の中で割と辛いように見えるが、劇的に生への執着心を沸かしてくれる出来事でした。いやー、来るね。
良い人を増やそうとした人は良い人過ぎて、中身も行動も素敵でしたね。青年の諦めない意志はきっと、誰かに託されてるでしょう。
道化師の爺さんは、まさに道化でしたね。優しい顔を見せていたんだなと。素敵な気遣いでした。
どの話が終わった後に残る熱を大切にしたいです。
全体が繋がる最後には希望が見えました。
嬉しい気持ちで読み終えられて良かったです。
死ぬときは生き抜いてからがいいなと思いました。それは選べないけど、この作品の人物達は選べて良かったです。
死神もちぐはぐな感じですけど、親しみやすすぎない立ち位置で、物語を紡いでいました。
美しい作品でした。