久しぶりの続巻。
連載ものだから仕方ないのかなと思うが、もう少し刊行ペースを詰めてくれないと内容が離れてしまう。
まぁ、読み始めたら内容に引き込まれるんだが。
孤高の女王・蘭子が恵梨香とペアを組んでオリンピックを目指そうと話を持ちかけてきたことで、ながとろ部員達の心境に波が起こる。
反則なことをしているわけではないし、実力がある者同士が組むことだから納得のいく流れではあるけど、ペアを組む希衣は納得がいかない。むかつく。かつてペアを組んでいた千帆はそんな希衣を見て落ち着かない。恵梨香は蘭子と漕ぐ魅力に戸惑い、舞奈は自身を磨いていく。
揺れ動く部員達がそれぞれのやり方ど乗り越えていこうとする前向きさに希望や勇気を感じました。
ペアを解消したり組むことは素直に認められることではないのがまじまじと伝わってきました。
女子の等身大の気持ちを描くのが上手い作家だからこそ、読んでいて、それぞれの人物を応援したくなります。中でも初心者の舞奈がどう変化していくのかが気になりました。
カヌーは初心者でもガラッと変わると書かれていたが、舞奈の先を予期しているのかな。
新人戦の舞奈のデビューが楽しみです。
(あらすじ)
うちとペアを組んで、オリンピック目指さへん? 突如ながとろ高校にやってきた、孤高の女王こと蘭子の誘いに戸惑う恵梨香。パートナーの希衣の思いも複雑だ。葛藤を抱えた彼女は一人、コーチの芦田のもとを訪れる。そしていよいよ八月。インターハイ会場・長良川にやってきたカヌー部四人。恵梨香はシングルで蘭子に勝てるのか。そして希衣とのペアで、優勝をもぎ取れるのか――。