羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

本が紡いだ五つの奇跡

本が紡いだ五つの奇跡

帯に書かれていた、本を愛するすべての人に!という台詞が気になって読みました。

読み終えて、はぁ〜と心に染み渡る連作短編集でした。

登場人物の揺れ動く心情を描くのが抜群に優れていて、読んでいて心に訴えかけられるものがありました。

 

編集者として結果が残せてなかったが自分を救った小説家にアプローチする編集者、現実に負けて筆を折ろうとする作家、余命が近いなかどう過ごすか迷いが生じているデザイナー、過去の出来事を引きずる書店員。

本を作る側、売る側、読む側、それぞれの視点から浮かびあがる1冊の本、さよならドグマを手に取る読者。全てが繋がる最後は胸が熱くなりました。


各視点でそれぞれの人物が壁にぶつかったり、迷って、苦しみながらも、さよならドグマの関係者に救われていく展開は読んでいるこちらな頭まで晴れやかな気持ちにしてくれました。

 

是非さよならドグマを読みたいと思いました。

 

日々に疲れたり、悩んだり、落ち込んだりしている人、迷える人達に手を取ってほしい作品でした。

 

〈本を愛するすべての人に!〉
本が生まれて、読者へとつながる
「本に関わった五人の奇跡の物語」。

仕事がなかなかうまくいかない女性編集者の最後のチャレンジで実現した新作小説。
その小説が人々を気持ちを奇跡のように紡いでいく。
心の機微をやさしく綴る感情の魔術士の最高傑作。

こういう話を読みたかったんだ。そして誰かに伝えたいんだ。―ブックジャーナリスト 内田剛

第一話 編集者・津山奈緒の章
第二話 小説家・涼元マサミの章
第三話 デザイナー・青山哲也の章
第四話 書店員・白川心美の章
第五話 読者・唐田一成の章