優我と風我。双子には誕生日にだけ起きることがある。
それは意識が入れ替わるということ。
恵まれない家庭環境で、その特別な能力があったから、2人で生き延びれた。
入れ替わりは地味で使い方が難しいと思っていたが、柔軟な発想で効果的に使っていて上手い!
また、最後の最後に最高の使い方をしていて、痺れる。
まさに不意を突かれました。
しかし、その不意打ちに救いがあって、よくやった!と唸るしかない。
今作は生きるのに苦労している人が登場していて、成長して報われていくのが良い。
酷な目に遭ったけど、幸せに生きてほしい。
反対に悪ともいえる、存在に立ち向かっていく双子は天晴れ。
逃げ切らせずにしっかり報いを受けさすのにはホッとしました。
切なくて、許せない強敵に立ち向かった双子の想いが伝わってくる作品でした。
最後の結末まで目が離せない。
ふとした言葉や出来事が繋がって、収束していくのはお見事。
伊坂幸太郎史上
もっとも切なく、でも、あたたかい。僕たちは双子で、僕たちは不運で、
だけど僕たちは、手強い
双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、
そして、彼ら兄弟だけの、
誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。
ふたりは大切な人々と出会い、
特別な能力を武器に、
邪悪な存在に立ち向かおうとするが……。
文庫版あとがき収録。
本屋大賞ノミネート作品!
解説/瀧井朝世