羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

鬼人幻燈抄(三)-江戸編 残雪酔夢

鬼人幻燈抄(三)-江戸編 残雪酔夢 (双葉文庫)

 

前巻で甚夜は父と再会し、家族のような場所を見つけたのに、それも長くは続かなかった。甚夜は戦場でしか生きられないのか。

 

今回は穏やかに終わるかと中盤までは思っていたが、そんな甘くなかったか。またもや心締め付けられる別れが甚夜を襲う。甚夜にとっては試練の展開で、これからの旅路が心配になる。

作者の甚夜への扱いが手厳しい。

 

前半の短編2本が表題作に繋がっていて、1冊の本でまとめるにはちょうどいい構成になっていました。

全体的に風情がありながらも、一瞬の切なさが感じられるので、惹きこまれました。時代の流れを感じられるのも良いです。

 

甚夜が追っている鈴音の影があり、彼女は何を思っているのだろうか。

 

 

安政三年(1856年)の冬、江戸の町では銘酒「ゆきのなごり」が大流行していた。
相変わらず鬼退治の仕事をし続けていた甚夜は、この酒をめぐる事件に巻き込まれてしまう。
そして、その渦中、16年間行方知れずだった妹の影を発見するのだが……。
武士と夜鷹の恋物語、鬼の噂を追っている付喪神を使う男の登場、消えない過去との対峙――物語がさらに深まるシリーズ第3巻が文庫化!