綾里先生らしさ全開のダークファンタジー。
主人公・西島が大切な存在だった・櫻が思惑ことで命を落とし、魂が地獄に落ちてしまった。
その魂を救済するために、命を張ろうとする西島の熱意が良いですね。
段階的に西島と櫻の関係が明らかになり、どうしても助け出したいという気持ちも分かるし、物語的にも目的がハッキリしているので読んでいて、気持ちいいです。
ダークな世界観を作るのが上手い作家なだけに手堅い出だしでした。
ただ、まとまりがあるのは良いが、もう少し揺さぶって欲しかったなと。
うまくいきすぎているのは気になりました。
罪人達の戦闘は見ものでした。
悪人達の設定も練られていて、キャラの背景を生かした戦闘の結末には驚きました。
今後、主人公・俊がヒロイン・櫻を救いだせるのか。どう展開して、料理してくるか楽しみです。
あらゆる「悪」を引き連れて、地獄の王位を奪い取る――。
地獄に堕ちた魂を救済するにはどうすればいいのだろうか?
罪もなく奈落の底まで堕とされた少女・櫻。その行方を追い、かつて地上へと逃げ出した俊は地獄へ舞い戻ることを決意する。
命がけで地獄の王の七番目の子、美しき怠惰の姫・ネロのもとへ行き助力を乞う。
しかし、地獄の最下層に送られた亡者の判決は、地獄の王以外には覆せないと聞かされ……。「ならば、俺が王になる!」
伝説上の名だたる悪人を「駒」として従え、少年は戦う。悪人同士の熾烈な決闘――王位継承戦を勝ち抜く、ダークファンタジー。
邪神も魔王も重罪人も、どんな「悪」だろうと従えてみせる。すべてはアイツの魂を救うために――。