見たて殺人でも犯人を誘導していくエラリイの動きは見事でした。犯人に至るまでの思考や調査から、よく犯人を見つけられるなと。今回はなんだが、ふわっとした感じがありましたが、犯人の動機に関してはそう繋がるのかという驚きとそこまでするかという気持ちごちゃ混ぜになった。
少しモヤっとする部分はあるが、まぁ、エラリイが元気そうでなによりということで。
エラリイに匿名の手紙が届く。そこには最近ライツヴィルで起きた事件を記した新聞記事ーー“町の隠者″の病死、富豪の自殺、“町の物乞い″の失踪ーーの切り抜きが。そして、父親の失踪の真相を探ってほしいという妖精のように魅力的な娘・リーマに導かれ、エラリイは四度ライツヴィルを訪れる。そこで待ち受けていたのは、さらなる不審死の連続だった……本格ミステリの巨匠、円熟期の傑作が新訳で登場。解説/飯城勇三