羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

九尾の猫〔新訳版〕

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

落ち込むエラリイにダメ出しかけるような、そんな巻でありながらも再び前に向けるようになる重要なエピソードだった。

連続殺人犯と対する警察官達。そこに協力するエラリイ。探偵としてのあり方に迷いがあるエラリイにとってはまたしても…な展開でしたが、発破をかけられて自分を取り戻すエラリイに安心しました。

これからは本調子の軽口が戻ってくるかな笑

 

連続殺人犯の犯行の規則性、ミステリ的作りとして、読み終えたら非常に満足しました。犯人は絞りやすいかもしれないが、それでもトリックや倫理に惹かれるものがあります。

 

次から次へと殺人を犯し、ニューヨーク全市を震撼させた連続絞殺魔“猫”事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”が風のように街を通りすぎた後に残るものはただ二つ―死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しむエラリイと“猫”との頭脳戦が展開される。待望の新訳版で登場。