羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

完璧な小説ができるまで

完璧な小説ができるまで (メディアワークス文庫)

あらすじ、表紙から捻れた小説かなと予想してましたが、想像以上に闇を持つ小説でした。

なぜ、監禁が起きたのか。

なぜ、ぜんぶ小説のせいだと訴えるのか。

タイトルの完璧な小説とは何か。

事件に至るまでの経緯が明かされていく形で進行していく。

最後まで読んで確かめてみたら、ゾクっとする展開で心が飲み込まれそうでした。

最初は文芸部として、小説を投稿して活動していただけなのに。1人の死からネジが外れていく狂気。

創作の獣とはなんとも恐ろしいものです。

身を滅ぼすまで至るとは。

展開の捻り方が上手かったです。

最後の言葉で心折れます。ぽっきりと。

 

人気小説家・相崎一歌の監禁事件。暴走したファンによる犯行かと思われたが、逮捕された月村荘一は高校時代の友人だった。
取調室で「ぜんぶ小説のせいだ」と何かにとりつかれたように訴える月村。彼は相崎一歌になりすまして執筆していたという。二人の間に一体何があったのか。問いただす刑事を前に、月村は驚くべき告白を始めた――。
すべてを語り終えた先に待ち受けていた驚愕の真相とは? 二転三転する展開に一気読み必至の衝撃サスペンス!