羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ただ、それだけでよかったんです

ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)

 

久しぶりに読み返しましたが、最初に読んだのが6年前なので、新鮮な気持ちで読めました。

素晴らしいくらい、危うい小説。

惹き込まれること間違いなしの作品です。

 

作品の入口が衝撃だが、そこに至るまでの過程には徐々に情報を明かしていく塩梅だったり、ミステリーのようにミスリードする展開が挟まれていたりと、構成が素晴らしかった。

先が気になって仕方ないので、最後まで一気読みです。

 

最後に見える真相には、主人公・菅原の決死な想いが交差していて、素晴らしいです。

細かな部分でん?と思う部分があるが、最後まで読むと飲み込んでしまいたくなる衝撃を体感します。

 

天才少年が自殺に追い込まれた理由に関してはよくここまでエグいことを思いつくなと。

人を追い詰める方法は色々あるんだと考えさせられます。

 

幸せな終わりではないけど、微かな救いがあったのがより、悲劇を際立てていました。

 

第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作!
壊れてしまったこの教室で、一人ぼっちの革命がはじまる――
頂点に輝いた空前の衝撃作!!

ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して――。
自殺の背景には"悪魔のような中学生"菅原拓による、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、菅原拓スクールカースト最下層の地味な生徒。そして、イジメの目撃者が誰一人としていなかったこと。彼らの接触の証拠も一切なかったことなど、多くの謎が残された。なぜ、天才少年Kは自殺しなければならなかったのか。
「革命は進む。どうか嘲笑して見てほしい。情けなくてちっぽけな僕の革命の物語を――」
悪魔と呼ばれた少年・菅原拓がその物語を語り始めるとき、そこには誰も予想できなかった、驚愕の真実が浮かび上がる――。
圧倒的な衝撃、逃れられない感動。読む人全てを震わせ4,580作品の頂点に輝いた衝撃作。