法廷遊戯で圧巻なデビューをした作者の新作。
今回は法をかいくぐった少女を中心に彼女の関係者達の罪やなぜそうなったのかを突き詰めていく物語。
法にも穴があって、人間も常識人ばかりではない、そんな世の中で苦しむ少年、少女の今後の更生を諦めない主人公の瀬良の考えや意思は素晴らしかったです。
まだ未熟なのはわかっているが、それでも寄り添う気持ちを大事にしている姿勢に応援したくなります。
事件は複雑な背景があり、絡み合った状況と前後する時系列に惑わされそうになります。
ただ、最初の殺人の衝撃はありましたが、以降はなぜ?という形に進んでいき、読み終えてから考えてみたら、ストレートな作品でした。
最後に法をかいくぐった少女に現実を突きつけて、瀬良の覚悟を見えたからか。
正直、更生を諦めてしまいそうにもなるが、更生する、できると信じることから始まるというのは現実的で刺さりますね。
デビュー作『法廷遊戯』が、ミステリランキングを席捲!
弁護士作家、弩級の第2作
若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼(せら・まひる)。
どんな少年も見捨てない。
そう決めて彼らと向き合ってきたはずだった。
しかし、狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件を目の当たりにして、
信念は大きく揺らぐ。
不可解なことに、被害者は全員同じ高校に縁のある人々だった。
被害者遺族の男子高校生を担当する真昼は、
思わぬ形で事件の真相に迫り――?圧巻の青春リーガルミステリー!