羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

教室のゴルディロックスゾーン

教室のゴルディロックスゾーン

学生時代の葛藤や苦しみ、孤独を上手く描いた。重たくなり過ぎず、でもしっかり登場人物の内面を見せていて読んでいて、一人一人に寄り添いたくなりました。

女子中学生の複雑な関係、心理を突いていて、モヤモヤする。だけど、すっきり霧が晴れるような出口を迎えていて良かった。

自分の生きやすいゾーンとそうでないゾーンは自分次第で変えていける。

学生に勇気を与えるような作品でした。

 

自分だけの孤独を大切にしてください。

中学校のクラスに馴染めず、現実から妄想の世界に逃げがちな依子。彼女が頼れるのは 父と、幼い頃から一緒に育ってきた愛犬のトト、そしてたった一人の友人・さきだけだった。しかしクラス替えからしばらくして、さきは依子を避けるようになる。
どうして? なんで?
今までのようにさきと仲良くしたい依子だったが、新しい友達と一緒にいるさきは、話し掛けてもすぐに離れていってしまう。
いっぽう、クラスメイトの伊藤さんは、クラスでいちばん目立つグループに所属しながらも、誰にでも分け隔てなく接してくれる女の子。優等生タイプの子にも、オタクっぽい子にも、そして依子にも話し掛けてくれる。
そんな彼女を好ましく思う依子だったが、伊藤さんと同じグループのリーダー・濱中さんに苦手意識を抱いているため、自分から話し掛けることはできなかった。
その後、事態は伊藤さんのけがを契機に思わぬ展開を見せる。