生きてるって凄いこと。大人になってからつくづく思います。病気や怪我なく過ごせる日々は当たり前ではないのを再確認出来る1冊でした。
普通生きてるうちは気づかない、当たり前の日々のありがたさよ。
ガンにかかった主人公当人と周りの人の掘り下げがあり、優しい主人公に影響を受けている様子を見ると人柄の良さというのはかけがえのないものですね。
自分が辛い目に遭ったら、周りに八つ当たりしてしまう時でもグッと胸の中で抑えられる優しさは強さでもある。
自分と向き合い、戦った証。
命の終わりまで、生き抜いた様子は晴れやかさがありました。
病気、人生を見つめ直す、良い小説でした。
全国の書店員100名が心震わせた感動作!
弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている──。
笹本遼賀、33歳。都内のレストランで働きながら、人並みに、真面目に生きてきた。だが、胃の不調で受けた検査は予想外の結果──がんだった。どうして自分が? 絶望に襲われた時、弟の恭平から荷物が届く。それは遼賀が15歳の頃、故郷の山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴で……。「おれはまだ生きたい」懸命に前を向く遼賀と、彼を支える家族を通して誠実に〝生〟と向き合った傑作長編。