羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

やがて君になる(6)


遂に始まる生徒会劇。


侑、燈子、紗弥香の想いが交差する。


劇を終えた燈子が靄がかかっていたものが晴れたようで良かった。しかし、侑はモヤモヤが止まらない。

侑は関係を変えようとするが、燈子は望んでない。二人の間にある壁は厚くて硬い。しかし、崩れる兆しはある。


燈子は侑が変わったと思ってるが、燈子も変わり始めてる。


一つの目標である生徒会劇を終えて、侑と燈子はどう歩いていくのか楽しみで仕方がないです。

虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.2

虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.2 (オーバーラップ文庫)


人生攻略本作る、赤三月と九木野瀬の物語第2巻。


今回は新たに人生攻略をしたわけではなく、低スペックながら主人公である九木野瀬の過去を新キャラの歌ノ森と合わせて書かれていて、よい掘り下げでした。そして、赤三月も胸な秘めてるものの一部が垣間見えることが出来て、より赤三月について知りたいなと。

あとは、黒花が表紙、口絵、作中でハッチャケていて良い感じに育ってる。


そして、お話がもっともっと読みたいと思ってるんですが、ここで打ち切りみたいな感じになりそうなんですが、もちろん続きますよね?まだ、読んでない人は買ってください、損はしないから!読んだ人は周りに勧めましょう。なんとしても、続巻を!

マージナル②

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(内容)

世間を騒がせた連続バラバラ殺人事件が解決されていないのに、私・宇佐美風香の住む月森市では、またも凄惨な事件が起こった。今後は撲殺だという。でも、私には陰鬱な気持ちが吹きとぶような出来事があった。小さかった頃、仲良しだった“きょーちゃん”こと摩弥京也に、偶然の再会を果たしたのだ。突然の転校から約7年。久しぶりに会った彼は、底ぬけに明るかったかつての面影をなくしていたけれど。せっかくだからと二人で向かった美術館で、彼は私の知人に失礼な振る舞いをしはじめた…。なにがあったの、きょーちゃん?第1回小学館ライトノベル大賞大賞受賞作、待望の続編登場。

(感想)

上巻。

京也が御笠との関係に悩み苦しみ、御笠は京也のことを理解したい。互いに互いを考えてるのに一切噛み合わないのが、哀愁漂います。

二人の関係がどのようになっていくのか注目したいですね。京也の妹の蘭が京也の過去を話して京也が変わったきっかけなどは痛ましいし、良い感じに狂ってますね。


また、今回の相手との対峙はどうなるのか、

下巻に期待です。


京也がじわじわとオーバーラインの一歩手前を越えるか越えないかをせめぎあってますね。

路地裏に怪物はもういない

路地裏に怪物はもういない (ガガガ文庫)


今慈ムジナ先生の新作。

デビュー作のふあゆのように趣味に走ったような作風なんですが、どこか寂しげな空気に包まれていて、まさしく平成という時代の終わりを前にして生まれた物語でした。人が幻想を求めなくなった時代の終わりに魅せる怪異譚。これは終わるために生まれてきた。怪異になっていく人達は誰も彼もが必死に生きようとしてる人ばかりだから、解放されるのは悲しいようだけど、爽やかな気分になります。


そして、主人公・夏野幽は分かっている、自分の末路を。それでも前に困ってる人が助けたいと思い、動く優しい子で、そんな彼がいたからこの作品は成り立つ。それは忘れてはいけない。

他には、椿姫と流という仲間がいる。二人は家に縛られながら自分を律している。そんな二人は幽と一緒にいると安らいでいるようで良い気持ちになる。


実にやりたい放題ながらも1本筋が通っている物語で、好きでした。


また、続きが生まれることを祈ってます。

撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろⅡ ー弾丸魔法とゴーストプログラムー

撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (ファンタジア文庫)


今、期待大のシリーズ第2巻。


今巻はレインとエアの写し鏡とも言える新キャラ、デットリムとイスナが登場。敵なんだけど憎めない、どこか掴みきれない二人なんだけど、話が進むにつれて、嫌いになれない。嫌いになれるわけがなかった。立場は違うが、レインとエアが辿るかもしれなかった道をデットリムとイスナは通っていて、胸が痛い。敵としてではなく、味方でいてくれたら…と甘い考えが起きますが、そんなはずはない。そんな新キャラをぶつけることで、レインとエアが心のうちを明かしていく展開は凄く良かった。物語的には絶望感があるんですが、絶望的な戦場で見せるレインとエアの葛藤や本音をぶつけ合うことで起きるドラマが良かったです。


戦況は悪化したが、関係は進んだがら良し。

アスリーのついては早いとこ触れてほしいなと思います。



続きが楽しみです!

屋上の名探偵

屋上の名探偵 (創元推理文庫)


日常の謎が読みたくなったので、読みました。

内容としてはもうひと押し、なんかほしいなと思いました。

シスコン主人公・悠介と屋上に潜んでる名探偵・蜜柑が協力し合い謎に挑む。蜜柑は過去に嫌なことがあり出来るだけ目立たないようにしているが、その知性が知られるのか興味が湧きます。

悠介はもう少しひとり立ちしないと物語に埋もれちゃう。


学園の日常の謎系は好きなので、続巻に期待します。

名探偵に薔薇を

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)


虚構推理の城平京先生のデビュー作


素晴らしいの一言。

二部構成になっていて、一部、二部片方でも楽しめるようになっています。しかし、両方読むとズシリとした重みを感じる真相を感じ

られるので、是非最後まで読んでもらいたいです。


童話をモチーフにしながら現代に事件を起こす。予想もつかない展開の連続で、読み応えのあるミステリーでした。

また、名探偵・瀬川が背負っているものはミステリー小説の名探偵たちが大体は持っているもので、最後の苦悩には胸が割かれる気分でした。


名探偵が好きな人に是非。