羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る

珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)


今回は美星さんの妹・美空が登場。

美空は美星さんとは違い、明るい性格だった。でも似てないようで似ているのが仲良しさに繋がってるのではないか。


美星、美空姉妹の秘密が明かされた。次はアオヤマの過去が知りたいです。


2巻は1巻と比べて苦い謎が多かったです。また、読者の裏をかく仕掛けもあって、好みなシリーズになりました。

苦さを含みながら、アオヤマと美星さんが距離を縮めていくのは良いですね。

いまさら翼と言われても

いまさら翼といわれても (角川文庫)


待望の文庫化。もう少し発表が遅かったら単行本を買ってました。

今作を読むために氷菓から読み返しました。だから思った、古典部面々が未来へ歩き出す短編集だと。ただ、里志の掘り下げが少なかったな残念。「箱の中の欠落」

里志と対象的に、古典部面々の中でも伊原摩耶花が大きく掘り下げられていて、めっちゃ好きになりました。「鏡には映らない」では、折木への誤解が解け、素直に謝る。「わたしたちの伝説の一冊」では漫研を辞めるまでの心模様。1番一皮向けた感があるのは摩耶花です。


そして、奉太郎のモットーが分かる。「長い休日」えるの心の叫びの「いまさら翼と言われても」これ読んだら、もうそれはダメだ。早く付き合えと思ってしまう。奉太郎とえるの関係の変化が気になります!


これ読むと、奉太郎、える、摩耶花、里志が好きになり、愛おしくなります。



彼ら彼女らの卒業まで読みたいです。

ジェリーフィッシュは凍らない 文庫

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)


以前から気になってたが、文庫化したので読みました。

帯に書いてある通り、「そして誰もいなくなった」の似ている風みたいだけど、詳しくは知らないけど、こんな感じかと思いました。


また、模様作だとしても、小型飛行船を起きる謎は面白かったです。墜落事故で、乗客が亡くなったと思ったら、実は他殺でしたというもの。読む前は小難しいのかなとも思いましたが、実際読んでみると、読みやすくて事件に没頭できました。探偵役のマリアと漣のちぐはぐコンビっぷりも良くてキャラ小説としても楽しめるかと。


読み終えてから犯人が分かっても何度も読み返したくなるぐらい、事件の背景や犯人の動機が確立していました。


作者の他作品も文庫化したら読みたいなと思いました。

また、「そして誰もいなくなった」も読みたいと思いました。

逢う日、花咲く。

逢う日、花咲く。 (メディアワークス文庫)


心臓移植により、起きる奇跡の初恋物語


久しぶりにここまで王道な青春を読みました。主人公とヒロインに焦点を絞り、一切道を外れることなく結末に向かっていってて好印象でした。ただただ、僕と彼女が互いを想い合っていて、胸が高鳴りました。


登場人物が少ないため、ある程度分かりやすい状況でしたが、それでも素直に祝福できるような作品でした。



思ってるよりも軽い気もするけど、胸が暖かくなる物語でした。

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)


以前から気になっていたが、長らく手を出さずいたが、遂に読みました。

黒髪ショートの女性のヒロインということで、落ち着いてるのかと思いきや、意外にも饒舌で、謎を解決するために動くので、ギャップがあり良いヒロインではないか。

バリスタヒロイン・切間美星と珈琲店を通うのが好きな主人公・アオヤマが出会うところから始まる。日常の生活で起きる謎を解決していくもので、良い具合に意表をつく解決の仕方だったり、人間の暗い部分が描かれていて、飽きることなく読めました。


会話や事件の引きの苦さが癖になる面白さで、これはシリーズ全部集めたいと思いました。


気になる方は是非読んでみて下さい。

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話 (宝島社文庫)


短編集。アニメに合わせるために書き下ろしたのかなーと邪推してみたり。

本編とは違い、軽く読めるが、その分物足りなさが残りました。ただ、普段の日常の生活を書いていてくれて、よりキャラクターが頭に入ってきたように思います。時期はバラバラですが、良かったです。


印象に残ったのは、秀一が滝先生と自動販売機の前で交わした会話と麗奈の小さい頃にズルイと言われ気にしてたとこですかね。心情がよく伝わってくる場面で頭に残りました。


全体的に良い短編だったと思います。

雨の降る日は学校に行かない

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)


自分が相沢沙呼先生の作品にハマったきっかけの作品です。久しぶりに読み返しましたが、改めて名作だと思いました。


女子中学生達の悩みや苦しみが詰まった短編集で、1話1話の密度が凄いです。どの話も鬱になりそうな状況ながら、最後は救いに近づくのが素敵です。全話圧倒的に苦しみが多いです。だからこそ、彼女達の足掻き、行動に胸を打たれます。

学校に行けない。ではなく、学校に行かない。これが大事。別に全員が同じではなくて良いんだから、自分の個性だと思って、世の中の理不尽と戦えばいいんだと思う。大切なことを教えてくれる作品です。



中高生や学生時代に悩みを抱えてた人に読んでもらいたい作品です。