カミツキレイニー先生の新作は魔女裁判が起こる世界で魔女が猟犬と共に世界を救うというもの。
表紙の迫力からして買わざるを得ない。
まず、世界観がしっかり練られていて読んでて違和感を感じずに作品に入れました。
人間のエゴなど醜い感情が渦巻いている世界だけど、そんな世界で希望を手繰り寄せようとするのが厄介者扱いの魔女のテレサリサというのが皮肉が効いている。
散々な扱いを受けたテレサリサの反撃が楽しみだ。
そして、暗殺者であるロロは仲間に託された想いを胸にテレサリサと行動を共にしていく。ロロの暗殺者としての姿勢が好きです。自分の意思で生きている感じに好感が持てます。
今巻はテレサリサとロロの背景や世界観の説明、混乱していくだろう世界の数歩前という状況になりましたということで、次巻以降の展開が非常に楽しみです。
しっかり主要キャラクターのバックボーンや世界の説明がなされてるから厚い、骨太な物語になっていきそうでワクワクします。
ダークファンタジーが好きな人に是非読んでほしい作品です!
魔術師たちを独占し超常の力をもって領土を拡大する王国アメリア。その脅威に曝された小国キャンパスフェローの領主バドは、前代未聞の奇策に出る。それは、大陸に散らばる凶悪な魔女たちを集めて対抗するというものだった―。機を同じくして、隣国レーヴェにて“鏡の魔女”が拘束されたとの報せが入る。バドは魔女の身柄を譲り受けるべく、従者を連れてレーヴェへと発つ。その中にロロはいた。通称“黒犬”と呼ばれる彼は、暗殺者として育てられた少年だった…。誰も見たことのない壮大で凶悪なダークファンタジーが幕を開ける。